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7月頭。夏休みまでもう少しという浮き足立った時期。昨日までは近づいた台風の影響で、豪雨と強風が吹き荒れ雷が鳴る大嵐だった。ぐちゃぐちゃの天気だったが、今日は清々しいほどに晴れている。まさしく台風一過と言ったところ。
「…はぁ」
しかし、この晴れた天気とは真逆の気持ちを抱える僕。無論、原因はさっきのお叱りのせい。
「災難だったなー、有真」
4限目終わりの昼休み。喧騒の中、僕の席まで来てニヤニヤとする1人の男子学生。
「…うるさいな」
その表情と言葉が腹立たしかったのでぶっきらぼうにそう答えた。
「心配して来てやったのになー」
「嘘つけ。翔はからかいに来ただけだろ?」
「んなことないって」
目を丸くしてブンブンと手を振り、オーバーリアクションで潔白を示すのは同じクラスで幼馴染の生駒 翔。その反応が何よりの証拠。確実にからかいに来たな。
「どーせ有真のことだから生物の神秘を妄想してたんじゃないの?」
「わ、悪い?」
「いや別にいいんじゃない?ただ、TPOはわきまえないとな?」
「授業聞くより楽しいし」
「だから『UMAくん』なんて周りから揶揄されるんじゃね?」
手元に持つお弁当を僕の机で広げながらグサグサと核心を突いてくる翔。
僕は生き物が好きだ。特に未解明な生物にロマンを感じている。この世にはたくさんの生き物がいて、僕らの知らない存在がある。それを考えるとワクワクするのだ。それこそ僕はネッシーや雪男、果ては宇宙人さえいると思っている。
周りの人は決まってそんな僕の考えを笑った。昔はまだ良かったものの、高校1年生にもなって夢を見ている僕を周りは名前を文字って『UMAくん』などと呼んでからかった。
そりゃそうだ。例えばUFOや都市伝説を本気で信じている人が周りにいたらどう思うだろうか?少なくとも僕なら胡散臭いなと思うに違いない。要はそういうことなのだ。
面白おかしくからかうのならまだしも、遠巻きに噂されるような感じ。いじられキャラという接しやすいイメージではなく、どちらかと言えば夢見がちなおかしい子という扱いだった。
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7月頭。夏休みまでもう少しという浮き足立った時期。昨日までは近づいた台風の影響で、豪雨と強風が吹き荒れ雷が鳴る大嵐だった。ぐちゃぐちゃの天気だったが、今日は清々しいほどに晴れている。まさしく台風一過と言ったところ。
「…はぁ」
しかし、この晴れた天気とは真逆の気持ちを抱える僕。無論、原因はさっきのお叱りのせい。
「災難だったなー、有真」
4限目終わりの昼休み。喧騒の中、僕の席まで来てニヤニヤとする1人の男子学生。
「…うるさいな」
その表情と言葉が腹立たしかったのでぶっきらぼうにそう答えた。
「心配して来てやったのになー」
「嘘つけ。翔はからかいに来ただけだろ?」
「んなことないって」
目を丸くしてブンブンと手を振り、オーバーリアクションで潔白を示すのは同じクラスで幼馴染の生駒 翔。その反応が何よりの証拠。確実にからかいに来たな。
「どーせ有真のことだから生物の神秘を妄想してたんじゃないの?」
「わ、悪い?」
「いや別にいいんじゃない?ただ、TPOはわきまえないとな?」
「授業聞くより楽しいし」
「だから『UMAくん』なんて周りから揶揄されるんじゃね?」
手元に持つお弁当を僕の机で広げながらグサグサと核心を突いてくる翔。
僕は生き物が好きだ。特に未解明な生物にロマンを感じている。この世にはたくさんの生き物がいて、僕らの知らない存在がある。それを考えるとワクワクするのだ。それこそ僕はネッシーや雪男、果ては宇宙人さえいると思っている。
周りの人は決まってそんな僕の考えを笑った。昔はまだ良かったものの、高校1年生にもなって夢を見ている僕を周りは名前を文字って『UMAくん』などと呼んでからかった。
そりゃそうだ。例えばUFOや都市伝説を本気で信じている人が周りにいたらどう思うだろうか?少なくとも僕なら胡散臭いなと思うに違いない。要はそういうことなのだ。
面白おかしくからかうのならまだしも、遠巻きに噂されるような感じ。いじられキャラという接しやすいイメージではなく、どちらかと言えば夢見がちなおかしい子という扱いだった。