………
…
「ピュウッ…」
弱々しい声を出しながら水を飲む雛鳥。部室に運び込んでしばらくは警戒していたが、適当に水を差し出すと喜んで飲んだ。
あとは食べるものを用意しなくては…。鳥は種類によって食べ物が違う。どんな種類かわからないと手のつけようがない。
不知火さん、この雛鳥についてなにか知ってそうだったな。
「あの、不知火さん」
「……」
僕が名を呼ぶと、彼女は伏し目がちにこちらを見た。まるで生気を感じられない。絶望したかのような表情で部室のパイプ椅子に体育座りをしている。ビシャビシャになった制服は戻ってくる時にジャージに着替えていた。
部室についてきたあたり、なにか話すことがあるようだが未だに彼女は口を噤んだまま。
「えっと、この子の食べ物なんだけど…なにか知ってる?」
「……」
言葉を発さない代わりに、フルフルと頭をふるう。
「じゃあ、なんて鳥かわかる?」
「…っ!」
僕がそう聞くと彼女はガタッと座っていた椅子を鳴らして反応した。
「し、知らない」
「そ、そっか」
明らかに動揺した様子。不自然だが、追求はしなかった。
「……」
「うーん、まだ熱あるかな?」
それ以上は触れないようにと思い、雛鳥の様態を確認をする。さっき抱えた時は熱かったが、今はどうだろう?
「キュッ…」
恐る恐る背中を撫でると少し苦しそうに鳴いた。赤い体と金色の尾羽が揺れる。
「熱くない…」
正確に言えば、普通の鳥よりは体温は高く感じたが、先程感じた燃えるほどの熱さではない。水を飲んで落ち着いたのか、それともさっきのが平熱なのか…わからないから判断がつかない。
「…あっ」
そういえば部室に鳥の餌があったような…僕は立ち上がり適当に棚を漁る。
「あった…」
インコ用の餌があった。でもほとんど入ってない。1日分が限界だろう。でも、ないよりマシだ。
「ほら、おたべ」
「ピ…ピィ…」
手皿に注いだサラサラとしたインコ用の餌を、警戒しつつも口に含んでくれた。
「ファグッ…フグッ…」
うん、よかった。ひとまず安心したものの、これからこの子どうしようか。
…
「ピュウッ…」
弱々しい声を出しながら水を飲む雛鳥。部室に運び込んでしばらくは警戒していたが、適当に水を差し出すと喜んで飲んだ。
あとは食べるものを用意しなくては…。鳥は種類によって食べ物が違う。どんな種類かわからないと手のつけようがない。
不知火さん、この雛鳥についてなにか知ってそうだったな。
「あの、不知火さん」
「……」
僕が名を呼ぶと、彼女は伏し目がちにこちらを見た。まるで生気を感じられない。絶望したかのような表情で部室のパイプ椅子に体育座りをしている。ビシャビシャになった制服は戻ってくる時にジャージに着替えていた。
部室についてきたあたり、なにか話すことがあるようだが未だに彼女は口を噤んだまま。
「えっと、この子の食べ物なんだけど…なにか知ってる?」
「……」
言葉を発さない代わりに、フルフルと頭をふるう。
「じゃあ、なんて鳥かわかる?」
「…っ!」
僕がそう聞くと彼女はガタッと座っていた椅子を鳴らして反応した。
「し、知らない」
「そ、そっか」
明らかに動揺した様子。不自然だが、追求はしなかった。
「……」
「うーん、まだ熱あるかな?」
それ以上は触れないようにと思い、雛鳥の様態を確認をする。さっき抱えた時は熱かったが、今はどうだろう?
「キュッ…」
恐る恐る背中を撫でると少し苦しそうに鳴いた。赤い体と金色の尾羽が揺れる。
「熱くない…」
正確に言えば、普通の鳥よりは体温は高く感じたが、先程感じた燃えるほどの熱さではない。水を飲んで落ち着いたのか、それともさっきのが平熱なのか…わからないから判断がつかない。
「…あっ」
そういえば部室に鳥の餌があったような…僕は立ち上がり適当に棚を漁る。
「あった…」
インコ用の餌があった。でもほとんど入ってない。1日分が限界だろう。でも、ないよりマシだ。
「ほら、おたべ」
「ピ…ピィ…」
手皿に注いだサラサラとしたインコ用の餌を、警戒しつつも口に含んでくれた。
「ファグッ…フグッ…」
うん、よかった。ひとまず安心したものの、これからこの子どうしようか。