……………
………
…
ピィちゃんが復活した次の日。いつも通りの朝9時頃。
朝だと言うのに茹だるような暑さで、夏の日差しはカンカンと照りつけている。
「おはよう、不知火さん」
「赤翼くん!おはよう!」
そんな暑さの中、部室に行くと不知火さんが既にいた。昨日よりも元気よく挨拶を返してくれる。
「ピィちゃんもおはよう」
「ピィ!」
僕が挨拶をするとピィちゃんが元気よく鳴いた。復活してから体が小さくなった気がする。やっぱり輪廻転生するから体は少し前の幼体に戻っているようだ。このままいけば夏休み終わりごろには前よりも少し大きくなってるくらいだろうか。
ピィちゃんが復活してから、僕と不知火さんは少し元気を取り戻した。ピィちゃんの翼の怪我自体も正常な状態に完治していた。生まれ変わったことで肉体そのものが変わったからだろう。
悲しい空気に満ち溢れていた部室も、僕らの元気とともに活気を取り戻している。
「赤翼くん、お母さんに頼んで家から文献をいろいろ持ってきたよ」
不知火さんがそう口にして、鞄から古びた数冊のノートを取り出す。彼女の家に先祖代々脈々と転写され続けているもの。
ピィちゃんが帰ってきたあの日、僕ら2人で決めたことがある。あの夕暮れの部室で決めたこと。
………
…
「ねぇ、赤翼くん」
「ん?なに?」
夕暮れの中、不知火さんがピィちゃんを抱えたまま翼を撫でる。
「ピィちゃんを元いたところに帰してあげたい」
「ちょうど僕も似たようなこと思ってた」
不知火さんからの提案に少し驚いた。僕も復活したばかりのピィちゃんを見て、ぼーっと考えていたことだったからだ。
「不死鳥は私たち人間といるべきじゃないんだよ。こんな風に巻き込まれて死んじゃうなんてことあっちゃダメなんだよ」
「僕もそう思う」
不知火さんが一息入れる。心の中に気持ちを押し込めるように。暖かな優しい気持ちを吐き出すように。
「ほんの少し、寂しいけど。私、ピィちゃんが元いた場所を探したい」
「…不知火さん」
不知火さんは少し涙ぐんでいた。いろいろな葛藤を超えた言葉。
元々怪我を治すまでのお世話だったのが、ピィちゃんとたくさんの思い出を紡ぎ、手放せなくなっていた。
あわよくばずっと一緒にと、そう思ってしまっていた。不知火さんも翔も、十鳥先生でさえそうかもしれない。
だからこそ、きちんと帰してあげるという選択を口にできた彼女は偉いと思う。本当にピィちゃんを想うからこそだ。
「うん、僕らで一緒に見つけてあげようか」
「…ありがとう」
本当は僕に止めて貰いたかったのかもしれない。でもやっぱり別れの時が近いと悟って、不知火さんは少しだけ悲しそうに笑った。
最後まできっちり面倒を見よう。口には出さなかったが、僕らはそう固く決心した。
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ピィちゃんが復活した次の日。いつも通りの朝9時頃。
朝だと言うのに茹だるような暑さで、夏の日差しはカンカンと照りつけている。
「おはよう、不知火さん」
「赤翼くん!おはよう!」
そんな暑さの中、部室に行くと不知火さんが既にいた。昨日よりも元気よく挨拶を返してくれる。
「ピィちゃんもおはよう」
「ピィ!」
僕が挨拶をするとピィちゃんが元気よく鳴いた。復活してから体が小さくなった気がする。やっぱり輪廻転生するから体は少し前の幼体に戻っているようだ。このままいけば夏休み終わりごろには前よりも少し大きくなってるくらいだろうか。
ピィちゃんが復活してから、僕と不知火さんは少し元気を取り戻した。ピィちゃんの翼の怪我自体も正常な状態に完治していた。生まれ変わったことで肉体そのものが変わったからだろう。
悲しい空気に満ち溢れていた部室も、僕らの元気とともに活気を取り戻している。
「赤翼くん、お母さんに頼んで家から文献をいろいろ持ってきたよ」
不知火さんがそう口にして、鞄から古びた数冊のノートを取り出す。彼女の家に先祖代々脈々と転写され続けているもの。
ピィちゃんが帰ってきたあの日、僕ら2人で決めたことがある。あの夕暮れの部室で決めたこと。
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「ねぇ、赤翼くん」
「ん?なに?」
夕暮れの中、不知火さんがピィちゃんを抱えたまま翼を撫でる。
「ピィちゃんを元いたところに帰してあげたい」
「ちょうど僕も似たようなこと思ってた」
不知火さんからの提案に少し驚いた。僕も復活したばかりのピィちゃんを見て、ぼーっと考えていたことだったからだ。
「不死鳥は私たち人間といるべきじゃないんだよ。こんな風に巻き込まれて死んじゃうなんてことあっちゃダメなんだよ」
「僕もそう思う」
不知火さんが一息入れる。心の中に気持ちを押し込めるように。暖かな優しい気持ちを吐き出すように。
「ほんの少し、寂しいけど。私、ピィちゃんが元いた場所を探したい」
「…不知火さん」
不知火さんは少し涙ぐんでいた。いろいろな葛藤を超えた言葉。
元々怪我を治すまでのお世話だったのが、ピィちゃんとたくさんの思い出を紡ぎ、手放せなくなっていた。
あわよくばずっと一緒にと、そう思ってしまっていた。不知火さんも翔も、十鳥先生でさえそうかもしれない。
だからこそ、きちんと帰してあげるという選択を口にできた彼女は偉いと思う。本当にピィちゃんを想うからこそだ。
「うん、僕らで一緒に見つけてあげようか」
「…ありがとう」
本当は僕に止めて貰いたかったのかもしれない。でもやっぱり別れの時が近いと悟って、不知火さんは少しだけ悲しそうに笑った。
最後まできっちり面倒を見よう。口には出さなかったが、僕らはそう固く決心した。
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