「キュルル!ピィッ!」
炎の中から久しぶりに、かつ何度も聞き馴染んだ声が聞こえた。
「っ!」
彼女が口元を抑えながら僕を見た。その顔は今にも泣きそうだ。繋がれた手がギュッと力強く握られた。
「キュウウッ…ピィッ!」
音を立てる炎が小さくなり始め、声の主の姿が少しずつ顕になってくる。深紅の体毛、金色の尾羽。緑色の尾の目玉模様に、鋭い脚の鉤爪。灰がどんどん小さくなる。まるでその体に集まるかのように。灰が肉体に成るかのように。
そうやって生まれる命の光景に、嬉しいやら安心するやら、いろんな感情が入り混じって止まらない。涙さえ出そうになる。それくらい、待ち望んだ命が紡がれる光景は美しく神秘的だった。
「ピィッ!!」
やがて灰と炎は完全になくなり、代わりに透明なケースの中にピィちゃんの姿が現れた。小さな翼を羽ばたかせ、残った灰を巻き上げる。
少し神々しく、でも僕らと一緒にいた時と変わらない、可愛らしく愛くるしい姿だった。
「ピィちゃん!」
不知火さんが声を上げて、透明なケースを開けて彼女を抱き上げる。
「キュッ!」
少し苦しそうな声を出すも、ピィちゃんは抱き上げられた瞬間、嬉しそうな顔をしているように見えた。
「よかった!本当によかった!あぁもう本当に…本当に!」
「キュ…ピイィィ」
不知火さんはピィちゃんに頬擦りをしながら涙ぐんでいた。その姿に貰い泣きしそうになる。よかった。ちゃんと帰ってきてくれた。
この感覚はなんて言葉にしたらいいんだろうか。安堵の一言だけで済ますにはあまりにも稚拙。僕の言葉では表現出来ないほどの暖かな気持ちだった。
「赤翼くん」
不知火さんが僕を呼び、ピィちゃんをこちらに向ける。なにか訴えかけるような不知火さんの目線。
僕はそれに黙って頷いた。この場を、気持ちを、共有しているからこそ。不知火さんが言いたいことがわかる、そんな気がした。
「「ピィちゃん、おかえり!」」
「ピィッ!!」
口を揃えて言ったおかえりに、綺麗な声でピィちゃんが鳴いた。
炎の中から久しぶりに、かつ何度も聞き馴染んだ声が聞こえた。
「っ!」
彼女が口元を抑えながら僕を見た。その顔は今にも泣きそうだ。繋がれた手がギュッと力強く握られた。
「キュウウッ…ピィッ!」
音を立てる炎が小さくなり始め、声の主の姿が少しずつ顕になってくる。深紅の体毛、金色の尾羽。緑色の尾の目玉模様に、鋭い脚の鉤爪。灰がどんどん小さくなる。まるでその体に集まるかのように。灰が肉体に成るかのように。
そうやって生まれる命の光景に、嬉しいやら安心するやら、いろんな感情が入り混じって止まらない。涙さえ出そうになる。それくらい、待ち望んだ命が紡がれる光景は美しく神秘的だった。
「ピィッ!!」
やがて灰と炎は完全になくなり、代わりに透明なケースの中にピィちゃんの姿が現れた。小さな翼を羽ばたかせ、残った灰を巻き上げる。
少し神々しく、でも僕らと一緒にいた時と変わらない、可愛らしく愛くるしい姿だった。
「ピィちゃん!」
不知火さんが声を上げて、透明なケースを開けて彼女を抱き上げる。
「キュッ!」
少し苦しそうな声を出すも、ピィちゃんは抱き上げられた瞬間、嬉しそうな顔をしているように見えた。
「よかった!本当によかった!あぁもう本当に…本当に!」
「キュ…ピイィィ」
不知火さんはピィちゃんに頬擦りをしながら涙ぐんでいた。その姿に貰い泣きしそうになる。よかった。ちゃんと帰ってきてくれた。
この感覚はなんて言葉にしたらいいんだろうか。安堵の一言だけで済ますにはあまりにも稚拙。僕の言葉では表現出来ないほどの暖かな気持ちだった。
「赤翼くん」
不知火さんが僕を呼び、ピィちゃんをこちらに向ける。なにか訴えかけるような不知火さんの目線。
僕はそれに黙って頷いた。この場を、気持ちを、共有しているからこそ。不知火さんが言いたいことがわかる、そんな気がした。
「「ピィちゃん、おかえり!」」
「ピィッ!!」
口を揃えて言ったおかえりに、綺麗な声でピィちゃんが鳴いた。