私は小さなキッチンに立ってカレーを用意しながら、自分のクローンを盗み見る。

自分で自分を盗み見る。
変な文章。

彼女はベッドの上に置いてあった私のヨレたパジャマを着て、ちょこんとテーブルの前に座っている。

何を話そうか。
自分が少し緊張しているということは、きっと彼女も少し緊張してるだろう。

だって自分なんだもの。
そう思うとちょっとだけ心が温かくなった。

カレーをチンして出すと
彼女は「ありがとう」って返事をして、一緒に食べてテレビを見る。

同じとこで笑って
同じとこで「えーっ!」と声を出すシンクロ感が面白かった。