プラプラと歩きながらグルグルと考える。
考えても考えても答えが出ない。

楽しそうだから興味本位で自分のクローンを作った。
しばらく楽しかった
クローンが働き出して私たちは素敵なマンションに引っ越しを夢見る。
夢を実行に移そうと
クローンがクローンを生む。

三代目になると
うっすい自分が生まれていた。

いや
そーいえば
お金はどーしたんだ?

そんなことを考えていたらスマホが震える。
さすが自分、以心伝心でクローン1号からLINEが入った。

【カード払いにしました】
2号のことだろう。

【いくら?】と、打つと【4本】と返事が返る。
4万か?40万か?
怖い怖い怖い。自分が怖い。
こんな突っ走るタイプと思わんかった。
半泣きになりながら近くの路地に入って、思わず経理の佐々木さんに電話をかけた。

『どしたの?』
会社以外であまり繋がりのない私からの電話に多少ビビりながら、佐々木さんは心配そうな声で出てくれたので、私は思わず「クローンが暴走しました」と、泣きついていた。