落ち着け私。
相手は私だ、挑発する方法も完璧だろう。
話を聞くと
同じ職場のクローン仲間にこっそり紹介してもらい、クローン2号を作ったらしい。
いやこのクローン2号。肌荒れてんな。
何度もお茶を淹れてるとだんだん薄くなって出なくなってくるよねと……ふと思った。

「お金足りないもん」
1号が言うので「彼女はどこで働くの」と聞いてみたら、2号が「キャバクラー」と返事する。

キャバクラ
たしかに、一度挑戦したいとはこっそり思っていたけどそればダメだ。

「ダメだよー」
「なんでー」
「お金稼げるよー」

2対1だと立場も弱くなる。

「お店に知り合いとか来たら困るでしょう」
「クローンですって言えばいいじゃん」
「クローンってキャバクラNGじゃなかった?」
「バレないもん」

うわーっ!私ってこんな人間だったの?嫌な女!!

「とにかくダメっ!!」

宣言すると1号はふくれっ面をして、2号は床に寝そべり雑誌を広げる。
「部屋が狭いから寝転がるな!」
私はそう叫んで頭を冷やすように部屋を出た。