「なにこれ?」
思わず口から出た言葉に「『これ』って言い方はひどいんじゃない?」と、新しい自分は体育座りをして口をとがらせた。

「どーゆーこと?」
アイスを乱暴に冷凍庫に入れて、古い自分に……いや、紛らわしいから最初のクローンを1号として新しく出現した自分を2号と呼ぼう。
1号は苦笑いをして「こや、こーゆーこと」って答える。

こーゆーことって……。
あらためて2号を見下ろすと、なーんか……態度悪ーっ。全体的に雑というのか自分の悪い部分がモロに出ている感じ。

「やっぱり私たちだけじゃお金足りないでしょう」
1号がハーブティーを入れて渡してくる。
きっと飲んでも癒されない。

「違法だって」何度言わせるんだよあげるくん!

「そうだけどさぁ、みんなやってるよ」

「でた!みんなやってる」

「自分だって思ってるくせに」

「思っていてもやらないのが私なの!」

「できないんでしょ」
クスっと笑われて頭に血が上る。

嫌な奴ーー!自分だけど。