それから少しの間は私の仕事も忙しくなり、彼女との話し合いは休戦状態となる。
彼女を専業主婦に迎えたので、仕事を増やしてもらったので帰りも遅くなっていた。いつも休日はふたりでダラダラと話をして過ごしていたけど、彼女も働き出したのですれ違う日々もあり、家の中もちょっと荒れてきた。
共働きの新婚さん気分……怖っ!
「佐々木さんとこはクローンと順調ですか?」
クローンを勧めてくれた経理の佐々木さんに聞いてみると、佐々木さんは苦笑いをして「色々とあるよねー」と答えてくれた。
人間だもの……クローンって人間か?
もう少し話を聞きたかったけど、時間がなくて心残りだった。今度ゆっくりお話を聞いてみよう。
仕事が終わり
すっかり遅くなったから、彼女も帰っている時間だろうと、コンビニアイスを二つ買って帰ってみたら……。
「おかえりー」
「ちぃーっす」
私がもう一人増えていた。



