ましろはおばあちゃんの左手の薬指に指輪がキラリと光るのを見つめながら、強くうなずいた。
「お待たせしました! 《りんごの木》特製、【人魚姫のウエディングケーキ】です!」
アリス君が新郎新婦の隣のテーブルに置いたのは、大きな二段重ねのケーキだ。クリームが波のようにデコレーションされたケーキに、パイナップルやオレンジ、マンゴーなどのトロピカルフルーツがたっぷりのっている。そして、貝殻や魚を模したかわいいクッキーがケーキの側面を囲んでいた。
さすがアリス君が企業秘密と言っていただけあって、クオリティが高い。
「お名前が海子さんって伺ってたので、海がテーマのケーキっす」
「あらぁ! すごくきれい! 食べるのがもったいないわ! 食べるけど」
おばあちゃんのリアクションが面白くて、ましろはクスクスと笑ってしまった。おばあちゃんなら、きっとたくさん食べるだろう。
キラキラときれいなケーキに見とれながらも、ましろは飲み物や料理をくるくると運んで回っていた。おじいちゃんとおばあちゃんの結婚式は大成功だ。
「俺たちまでご馳走になっちゃっていいのかな」
ましろが大地君と愛華さんのテーブルにジュースを持って行くと、そんな言葉をかけられた。そうは言いつつも、大地君はもりもりと料理を食べ進めている。
結婚式の準備を手伝ってくれた二人にも、料理を食べてもらっているのだ。乙葉さんは赤ちゃんと旦那さんが待っているので帰ってしまったけれど、後でお家にケーキを届ける予定だ。
「もちろんだよ! 大地君も愛華さんも、急にお願いしたのに協力してくれて、ありがとう」
「結婚式のお花だなんて、とても楽しそうだからね。お手伝いできてよかったよ」
「ふふっ。すてきな結婚式で、参考になるわよね。大地君」
愛華さんにいたずらっぽい目線を向けられて、大地君は「いやぁ~、あはは」と照れている。どうやら、二人もうまくいっているようだ。
「いいよねぇ、結婚式。憧れるよねぇ。わたしも早く結婚式したいなぁ」
「ましろちゃんには、まだ早いぞ!」
「ましろさん、急ぐ必要はないんですよ」
ましろは大地君と愛華さんに言ったつもりだったのに、おじいちゃんとりんごおじさんの声が飛んで来た。地獄耳すぎて、びっくりしてしまう。
「もうっ! ほっといてよ!」
ましろは半分怒りながら、もう半分笑いながら叫んだ。みんなも、楽しそうに笑っている。
いつかわたしも、おばあちゃんみたいなステキな花嫁さんになるんだから!
「お待たせしました! 《りんごの木》特製、【人魚姫のウエディングケーキ】です!」
アリス君が新郎新婦の隣のテーブルに置いたのは、大きな二段重ねのケーキだ。クリームが波のようにデコレーションされたケーキに、パイナップルやオレンジ、マンゴーなどのトロピカルフルーツがたっぷりのっている。そして、貝殻や魚を模したかわいいクッキーがケーキの側面を囲んでいた。
さすがアリス君が企業秘密と言っていただけあって、クオリティが高い。
「お名前が海子さんって伺ってたので、海がテーマのケーキっす」
「あらぁ! すごくきれい! 食べるのがもったいないわ! 食べるけど」
おばあちゃんのリアクションが面白くて、ましろはクスクスと笑ってしまった。おばあちゃんなら、きっとたくさん食べるだろう。
キラキラときれいなケーキに見とれながらも、ましろは飲み物や料理をくるくると運んで回っていた。おじいちゃんとおばあちゃんの結婚式は大成功だ。
「俺たちまでご馳走になっちゃっていいのかな」
ましろが大地君と愛華さんのテーブルにジュースを持って行くと、そんな言葉をかけられた。そうは言いつつも、大地君はもりもりと料理を食べ進めている。
結婚式の準備を手伝ってくれた二人にも、料理を食べてもらっているのだ。乙葉さんは赤ちゃんと旦那さんが待っているので帰ってしまったけれど、後でお家にケーキを届ける予定だ。
「もちろんだよ! 大地君も愛華さんも、急にお願いしたのに協力してくれて、ありがとう」
「結婚式のお花だなんて、とても楽しそうだからね。お手伝いできてよかったよ」
「ふふっ。すてきな結婚式で、参考になるわよね。大地君」
愛華さんにいたずらっぽい目線を向けられて、大地君は「いやぁ~、あはは」と照れている。どうやら、二人もうまくいっているようだ。
「いいよねぇ、結婚式。憧れるよねぇ。わたしも早く結婚式したいなぁ」
「ましろちゃんには、まだ早いぞ!」
「ましろさん、急ぐ必要はないんですよ」
ましろは大地君と愛華さんに言ったつもりだったのに、おじいちゃんとりんごおじさんの声が飛んで来た。地獄耳すぎて、びっくりしてしまう。
「もうっ! ほっといてよ!」
ましろは半分怒りながら、もう半分笑いながら叫んだ。みんなも、楽しそうに笑っている。
いつかわたしも、おばあちゃんみたいなステキな花嫁さんになるんだから!