ましろが出迎えると、おじいちゃんはうれしそうに駆け寄って来た。相変わらず、ましろには甘々だ。ましろはありがたくお土産のお菓子を受け取って、おじいちゃんをお店の奥に案内した。
「おじいちゃんは、二階で着替えて来てね。その後、リハーサルするから!」
「あぁ。ありがとう。おばあちゃんと仲直りできるように、がんばるよ」
おじいちゃんはそう言うと、笑顔で階段を駆け上がって行った。
***
そして、夕方。
夜ご飯は《りんごの木》で食べようねと約束をしていたので、ましろはカラオケ帰りのおばあちゃんをお店の前で待ち構えていた。
「あら、ましろ。待っててくれたの?」
「おばあちゃん、映画とカラオケは楽しかった?」
「ええ! とっても!」
ご機嫌なおばあちゃんは、「おなかが空いたわね」と、お店に入ろうとしたけれど、ましろはストップをかけた。
「待って、おばあちゃん! 今夜の《りんごの木》は、ドレスコードがあるんだよ!」
「ドレスコード? 服装が決まってるってやつよね? そんな面倒なこと、凛悟が決めたの? いやだわぁ、あの子ってば」
「め、めんどくさがらないで。今日だけだから。お願い」
こんなところで、計画を台無しにするわけにはいかない。
ましろはおばあちゃんを一生懸命に説得して、ようやくバックヤードに連れて来ることができた。
「私、今、他の服は持ってないわよ?」
「大丈夫! おばあちゃんのは、わたしが用意したから! これ着て!」
困り顔のおばあちゃんに、ましろは服屋さんで買って来たばかりの服を渡した。
「ごめんね。豪華なやつは高すぎて用意できなかったんだ。でも、おばあちゃんにとっても似合うと思うから……」
「ましろ、これは──」
おばあちゃんはとても驚いた表情を浮かべて、ましろを見ていた。
「ヘアメイクさんとお花係さんも呼んであるから! わたしはお店で待ってるね!」
***
一時間ほど経ち、バックヤードとお店をつなぐ扉がゆっくりと開いた。
緊張した様子でお店をのぞき込むように現れたおばあちゃんは、とてもきれいだった。ゆったりとした純白のワンピースは、袖がレース生地。裾はふわっと自然に広がっていて上品な印象。髪はローシニヨンというスタイルで、低い位置で髪をくるりとまとめている。そして、髪飾りは小さなヒマワリ──。
「おじいちゃんは、二階で着替えて来てね。その後、リハーサルするから!」
「あぁ。ありがとう。おばあちゃんと仲直りできるように、がんばるよ」
おじいちゃんはそう言うと、笑顔で階段を駆け上がって行った。
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そして、夕方。
夜ご飯は《りんごの木》で食べようねと約束をしていたので、ましろはカラオケ帰りのおばあちゃんをお店の前で待ち構えていた。
「あら、ましろ。待っててくれたの?」
「おばあちゃん、映画とカラオケは楽しかった?」
「ええ! とっても!」
ご機嫌なおばあちゃんは、「おなかが空いたわね」と、お店に入ろうとしたけれど、ましろはストップをかけた。
「待って、おばあちゃん! 今夜の《りんごの木》は、ドレスコードがあるんだよ!」
「ドレスコード? 服装が決まってるってやつよね? そんな面倒なこと、凛悟が決めたの? いやだわぁ、あの子ってば」
「め、めんどくさがらないで。今日だけだから。お願い」
こんなところで、計画を台無しにするわけにはいかない。
ましろはおばあちゃんを一生懸命に説得して、ようやくバックヤードに連れて来ることができた。
「私、今、他の服は持ってないわよ?」
「大丈夫! おばあちゃんのは、わたしが用意したから! これ着て!」
困り顔のおばあちゃんに、ましろは服屋さんで買って来たばかりの服を渡した。
「ごめんね。豪華なやつは高すぎて用意できなかったんだ。でも、おばあちゃんにとっても似合うと思うから……」
「ましろ、これは──」
おばあちゃんはとても驚いた表情を浮かべて、ましろを見ていた。
「ヘアメイクさんとお花係さんも呼んであるから! わたしはお店で待ってるね!」
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一時間ほど経ち、バックヤードとお店をつなぐ扉がゆっくりと開いた。
緊張した様子でお店をのぞき込むように現れたおばあちゃんは、とてもきれいだった。ゆったりとした純白のワンピースは、袖がレース生地。裾はふわっと自然に広がっていて上品な印象。髪はローシニヨンというスタイルで、低い位置で髪をくるりとまとめている。そして、髪飾りは小さなヒマワリ──。



