***
ついに、大地君が愛華さんにプロポーズする日がやって来た。《りんごの木》は、大地君が事前に持って来た黄色いバラで美しく飾られていて、まるでお城の一室にいるかのような気分になる。
「すごいね! 高級レストランみたいじゃない?」
「ほんとね。フランス料理のコースが出て来そうなかんじ。メインはぎょうざだけど」
ましろは、恩田さんとバックヤードからお店をのぞいていた。
今はディナータイムなので、本当なら恩田さんはお休みだ。けれど、大地君のダイエットを監督した恩田さんは、どうしても彼のプロポーズを見届けたいとこっそりやって来たのだ。
「に、してもよ。愛華さんって、すごくかわいいわねぇ! びっくりしちゃったわ」
「そうだよね! かわいいよね!」
話題は、大地君の彼女の愛華さんだ。
先ほど、大地君といっしょに来店した愛華さんは、黒色のショートボブがよく似合う小柄でかわいい女性だった。それでもって、賢そうなメガネがキラリと光っている。大地君の前情報によると、大学では植物について学び、今は植物園で働いているそうだ。
一方の大地君はというと、見事に七キロやせることに成功した。柔らかそうだったおなかは引っこみ、顔も体もシュッとしている。元々大地君は背が高いので、小さい愛華さんをエスコートする姿は恋人というよりも、お父さんに見えてしまうのが面白い。
「重野君。ここ、ステキなお店ね。バラがとてもきれいだわ」
「そうだね。俺も、すごく好きなお店なんだ。料理も絶品でさ!」
大地君は自分が用意したバラだとは明かさなかったけれど、照れくさそうにビールを飲んでいた。
「お似合いだね」
「そうね。美男美女カップルよ。大地君、ほんとによくがんばったわ」
恩田さんは、まるで弟子の成長を喜ぶ師匠のような顔をしていた。恩田さんのためにも、この後のプロポーズはぜひとも成功させてほしい。
そして、ましろは「じゃあ、そろそろ行くね」と、恩田さんと別れてお店に移動した。
「ましろさん。アリス君と協力して、料理を運んでもらっていいですか?」
さっそくキッチンにいたりんごおじさんに声をかけられ、ましろは「はい!」と返事をした。
すると、キッチンから次々と小皿が出て来るではないか!
ついに、大地君が愛華さんにプロポーズする日がやって来た。《りんごの木》は、大地君が事前に持って来た黄色いバラで美しく飾られていて、まるでお城の一室にいるかのような気分になる。
「すごいね! 高級レストランみたいじゃない?」
「ほんとね。フランス料理のコースが出て来そうなかんじ。メインはぎょうざだけど」
ましろは、恩田さんとバックヤードからお店をのぞいていた。
今はディナータイムなので、本当なら恩田さんはお休みだ。けれど、大地君のダイエットを監督した恩田さんは、どうしても彼のプロポーズを見届けたいとこっそりやって来たのだ。
「に、してもよ。愛華さんって、すごくかわいいわねぇ! びっくりしちゃったわ」
「そうだよね! かわいいよね!」
話題は、大地君の彼女の愛華さんだ。
先ほど、大地君といっしょに来店した愛華さんは、黒色のショートボブがよく似合う小柄でかわいい女性だった。それでもって、賢そうなメガネがキラリと光っている。大地君の前情報によると、大学では植物について学び、今は植物園で働いているそうだ。
一方の大地君はというと、見事に七キロやせることに成功した。柔らかそうだったおなかは引っこみ、顔も体もシュッとしている。元々大地君は背が高いので、小さい愛華さんをエスコートする姿は恋人というよりも、お父さんに見えてしまうのが面白い。
「重野君。ここ、ステキなお店ね。バラがとてもきれいだわ」
「そうだね。俺も、すごく好きなお店なんだ。料理も絶品でさ!」
大地君は自分が用意したバラだとは明かさなかったけれど、照れくさそうにビールを飲んでいた。
「お似合いだね」
「そうね。美男美女カップルよ。大地君、ほんとによくがんばったわ」
恩田さんは、まるで弟子の成長を喜ぶ師匠のような顔をしていた。恩田さんのためにも、この後のプロポーズはぜひとも成功させてほしい。
そして、ましろは「じゃあ、そろそろ行くね」と、恩田さんと別れてお店に移動した。
「ましろさん。アリス君と協力して、料理を運んでもらっていいですか?」
さっそくキッチンにいたりんごおじさんに声をかけられ、ましろは「はい!」と返事をした。
すると、キッチンから次々と小皿が出て来るではないか!



