「はい。気をつけます。赤ちゃんのための食事制限なら、耐えますよ! 産んだ後に食べる浦島太郎メシは、きっと世界一おいしいだろうし!」
「なら、今日はひとまず、カツオに火を通したメニューにされますか?」
さらりと話に加わって来たのは、りんごおじさん。前の組のお客さんが帰ったので、キッチンが落ち着いたらしい。メガネを布でキュッキュッと磨きながら現れた。
「えっ! メニューに載ってないのに、いいんですか?」
「もちろんですよ。僕も、いいカツオを食べていただきたいですし。ガーリックバターしょうゆで、ステーキなんていかがですか?」
ガリバタしょうゆ!
ましろは、心の中でゴクリとのどを鳴らした。
なんて魅力的な響き!
「おいしそう! それをお願いします!」
乙葉さんもそう思ったのか、うっとりとした表情をしている。りんごおじさんのファインプレー様々だ。
「では、用意してきますね。お刺身は、無事に出産が終わったら、ぜひ」
りんごおじさんは、そう言うと再びキッチンに戻って行った。
***
料理を待っている間、ましろは他のお客さんがいないのをいいことに、乙葉さんにヘアアレンジをしてもらっていた。道具がないので、凝ったことはできないはずなのに、ましろの髪は、あっという間にゆるふわの三つ編みに変身していく。さすがは美容師さんだ。
「すごーい! かわいい髪型だ! ありがとう!」
「うふふ。似合ってるよ! ましろちゃんの髪は、ふわふわで楽しいな」
はしゃぐましろをみて、乙葉さんも満足そうにうなずいている。
「赤ちゃんは、女の子だったよね? 髪が伸びたら、結ってあげられるね」
「そうだねぇ。かわいいヘアゴムとかリボンで、いろいろしてあげたいなぁ」
幸せそうに思いを巡らす乙葉さんのそばにいると、こちらまで幸せな気持ちになる。
早く、乙葉さんの赤ちゃんに会いたいなぁ。
そして、赤ちゃんの名前やグッズの話をしているうちにランチが運ばれて来た。
「お待たせしました。【浦島太郎の漁師飯~ガリバタしょうゆ味】です」
「きゃ~っ! おいしそう!」
朝に予定していたメニューとは違うけれど、とんでもなく胃袋を刺激する香りを放つカツオのステーキに、乙葉さんは手を叩いて喜んでいた。
「なら、今日はひとまず、カツオに火を通したメニューにされますか?」
さらりと話に加わって来たのは、りんごおじさん。前の組のお客さんが帰ったので、キッチンが落ち着いたらしい。メガネを布でキュッキュッと磨きながら現れた。
「えっ! メニューに載ってないのに、いいんですか?」
「もちろんですよ。僕も、いいカツオを食べていただきたいですし。ガーリックバターしょうゆで、ステーキなんていかがですか?」
ガリバタしょうゆ!
ましろは、心の中でゴクリとのどを鳴らした。
なんて魅力的な響き!
「おいしそう! それをお願いします!」
乙葉さんもそう思ったのか、うっとりとした表情をしている。りんごおじさんのファインプレー様々だ。
「では、用意してきますね。お刺身は、無事に出産が終わったら、ぜひ」
りんごおじさんは、そう言うと再びキッチンに戻って行った。
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料理を待っている間、ましろは他のお客さんがいないのをいいことに、乙葉さんにヘアアレンジをしてもらっていた。道具がないので、凝ったことはできないはずなのに、ましろの髪は、あっという間にゆるふわの三つ編みに変身していく。さすがは美容師さんだ。
「すごーい! かわいい髪型だ! ありがとう!」
「うふふ。似合ってるよ! ましろちゃんの髪は、ふわふわで楽しいな」
はしゃぐましろをみて、乙葉さんも満足そうにうなずいている。
「赤ちゃんは、女の子だったよね? 髪が伸びたら、結ってあげられるね」
「そうだねぇ。かわいいヘアゴムとかリボンで、いろいろしてあげたいなぁ」
幸せそうに思いを巡らす乙葉さんのそばにいると、こちらまで幸せな気持ちになる。
早く、乙葉さんの赤ちゃんに会いたいなぁ。
そして、赤ちゃんの名前やグッズの話をしているうちにランチが運ばれて来た。
「お待たせしました。【浦島太郎の漁師飯~ガリバタしょうゆ味】です」
「きゃ~っ! おいしそう!」
朝に予定していたメニューとは違うけれど、とんでもなく胃袋を刺激する香りを放つカツオのステーキに、乙葉さんは手を叩いて喜んでいた。



