「こんにちは。また来ちゃいました」
カラッと晴れた青空の日に、亀山乙葉さんはやって来た。
「わぁ! いらっしゃいませ!」
ましろは大喜びで乙葉さんに駆け寄ると、窓際の二人席を案内した。
「乙葉さん、来てくれてありがとう!」
「うふふ。産休中だから、時間はたっぷりあるんだよ」
「それはそれで、髪の毛切ってもらえないから残念」
常連客の乙葉さんは、おとぎ商店街にある美容院、《SEA CASTLE》の若い美容師さん。ましろが髪をカットしに行った時に、好きなアイドルの話で仲良なって以来、週に三回は《りんごの木》に来てくれる。なんだか歳の離れたお姉さんみたいで、ましろは乙葉さんのことが大好きだ。
そして何より、乙葉さんのぽっこりと大きなお腹をなでなでさせてもらうことが大好きだ。そう。乙葉さんは妊婦さんなのだ。
「なんか、とっても大きくなってない?」
「うん。ましろちゃんが来てくれた時と比べたら、七百グラムくらい大きくなったかな。ラストスパートだね」
乙葉さんは「よっこいしょ」と、重たそうにイスに腰かけると、愛おしそうにおなかをなでた。
「もうすぐ産まれるの?」
カラッと晴れた青空の日に、亀山乙葉さんはやって来た。
「わぁ! いらっしゃいませ!」
ましろは大喜びで乙葉さんに駆け寄ると、窓際の二人席を案内した。
「乙葉さん、来てくれてありがとう!」
「うふふ。産休中だから、時間はたっぷりあるんだよ」
「それはそれで、髪の毛切ってもらえないから残念」
常連客の乙葉さんは、おとぎ商店街にある美容院、《SEA CASTLE》の若い美容師さん。ましろが髪をカットしに行った時に、好きなアイドルの話で仲良なって以来、週に三回は《りんごの木》に来てくれる。なんだか歳の離れたお姉さんみたいで、ましろは乙葉さんのことが大好きだ。
そして何より、乙葉さんのぽっこりと大きなお腹をなでなでさせてもらうことが大好きだ。そう。乙葉さんは妊婦さんなのだ。
「なんか、とっても大きくなってない?」
「うん。ましろちゃんが来てくれた時と比べたら、七百グラムくらい大きくなったかな。ラストスパートだね」
乙葉さんは「よっこいしょ」と、重たそうにイスに腰かけると、愛おしそうにおなかをなでた。
「もうすぐ産まれるの?」