「抹茶ソフトとほうじ茶ソフトお願いします!」
「はぁい。いつもありがとね。アリス君によろしく」
どちらのソフトクリームもお茶のいい香りがして、その辺のソフトクリームとは一味違う。
「ん~っ! 抹茶、濃厚~! ましろちゃん、ほうじ茶のも、ちょっとちょうだい?」
そしてシエラは、おせんべい屋さんのおせんべい、和菓子屋さんのみたらし団子をたいらげ、最後に《くだものMOMO》でフルーツジュースを飲み干した。ましろは途中から、見守る係になっている。
「ぷはーっ! メロンジュースとか、ぜいたくすぎじゃない? めーっちゃ甘くておいしかったよ!」
「お姉さん、いい飲みっぷりだね。《りんごの木》の新しいバイトさん?」
ましろの友達の桃奈が、シエラを不思議そうに見つめながら言った。オレンジ色のエプロンをしているので、お店の手伝いをしているようだ。
「えっと、そうそう。バイトさん!」
「へぇ~。さっきお肉屋のおっちゃんが、『商店街を幸せそうに食べ歩いてる大食い美人がいる』って言ってたけど、このお姉さんのことかな」
もう、そんなウワサが回ってるの?
それはシエラのことで間違いないだろう。
「たしかに、すっごく楽しそうに食べてるし、すごい量を食べてる……」
ましろのおなかは、とっくにパンパンだ。けれどシエラはまだまだ余裕がありそうで、見ているこちらが怖くなるほどだ。
「ふーっ! 食べるとストレス発散にもなるよね! ましろちゃん、ちょっと休んでから次に行こう?」
「ひぇーっ! どんな胃をしてるんですか!」
***
そして、ましろはシエラを白鷺川の河川敷に連れて行った。
白鷺川は、春は桜、夏は新緑、秋は紅葉、冬は雪景色がきれいな観光名所だ。けれど、地元の人たちがジョギングやピクニックなどで利用する場所でもある。
「ここで休みましょう! シエラちゃん、ヒールのくつだから、歩き疲れてませんか?」
初夏の風がとても爽やかで、休憩するにはもってこいだ。
「ましろちゃんは優しいね。シエラ、そんなに優しくされたら泣いちゃう」
「そんな冗談言って……」と、ましろがシエラを見ると、シエラは本当に泣いていた! 青い瞳から、大粒の涙がぽろぽろとこぼれている。
「はぁい。いつもありがとね。アリス君によろしく」
どちらのソフトクリームもお茶のいい香りがして、その辺のソフトクリームとは一味違う。
「ん~っ! 抹茶、濃厚~! ましろちゃん、ほうじ茶のも、ちょっとちょうだい?」
そしてシエラは、おせんべい屋さんのおせんべい、和菓子屋さんのみたらし団子をたいらげ、最後に《くだものMOMO》でフルーツジュースを飲み干した。ましろは途中から、見守る係になっている。
「ぷはーっ! メロンジュースとか、ぜいたくすぎじゃない? めーっちゃ甘くておいしかったよ!」
「お姉さん、いい飲みっぷりだね。《りんごの木》の新しいバイトさん?」
ましろの友達の桃奈が、シエラを不思議そうに見つめながら言った。オレンジ色のエプロンをしているので、お店の手伝いをしているようだ。
「えっと、そうそう。バイトさん!」
「へぇ~。さっきお肉屋のおっちゃんが、『商店街を幸せそうに食べ歩いてる大食い美人がいる』って言ってたけど、このお姉さんのことかな」
もう、そんなウワサが回ってるの?
それはシエラのことで間違いないだろう。
「たしかに、すっごく楽しそうに食べてるし、すごい量を食べてる……」
ましろのおなかは、とっくにパンパンだ。けれどシエラはまだまだ余裕がありそうで、見ているこちらが怖くなるほどだ。
「ふーっ! 食べるとストレス発散にもなるよね! ましろちゃん、ちょっと休んでから次に行こう?」
「ひぇーっ! どんな胃をしてるんですか!」
***
そして、ましろはシエラを白鷺川の河川敷に連れて行った。
白鷺川は、春は桜、夏は新緑、秋は紅葉、冬は雪景色がきれいな観光名所だ。けれど、地元の人たちがジョギングやピクニックなどで利用する場所でもある。
「ここで休みましょう! シエラちゃん、ヒールのくつだから、歩き疲れてませんか?」
初夏の風がとても爽やかで、休憩するにはもってこいだ。
「ましろちゃんは優しいね。シエラ、そんなに優しくされたら泣いちゃう」
「そんな冗談言って……」と、ましろがシエラを見ると、シエラは本当に泣いていた! 青い瞳から、大粒の涙がぽろぽろとこぼれている。



