アリス君の言葉に、アリスパパは目を見開いた。驚いているけれど、うれしそうな顔だ。
「お前がそんなふうに考えていたとは」
「だって、聞いてくれなかったじゃんか。まぁ、オレも話そうとしなかったけど」
「そうだな。お互い、きちんと話していなかったな」
アリスパパはコトンとフォークをテーブルに置くと、アリス君の目を真っ直ぐに見つめて言った。
「おいしいぞ、白兎。これからもがんばれ」
「あ、ありがとう……」
アリス君は思わず緩んでしまったほっぺたを両手でぴしゃりと叩くと、足早にましろとりんごおじさんの所に戻って来た。
「やったね! アリス君!」
「ましろのおかげで、親にちゃんと向き合えた。ありがとな」
アリス君はニヤッと笑いながら、ましろの頭をくしゃくしゃとなで回した。
「やめてー! せっかくポニーテールしてもらったのに!」
「またしてやるって。それより店長! こいつの接客、ダメダメっすよ! 明日どうします?」
アリス君の手をどけようとしても、身長差のせいで、ましろはどうしても逃げることができない。そのうえ、接客のダメ出しだ。
「えぇーっ! そんなにダメだったの?」
「首だけでお辞儀してたし、言葉づかいもアウトだろ? あと、皿運ぶの遅すぎ」
うへぇ、厳しい! いつものアリス君に戻ってる。
ましろはりんごおじさんに助けを求めて目線を上げると、りんごおじさんは楽しそうに笑っていた。
「うちのエースパティシエが辞めずに済みましたから、フォローしてもらいましょう」
***
日曜日。ましろの友達、吉備野桃奈が母親と《りんごの木》に来てくれた。
「白雪さーん! やっほー!」
カゴいっぱいの美味しそうな果物をお土産に、桃奈はましろに手を振ってくれた。
「わぁっ! すっごく美味しそう! ありがとう!」
ましろはつい桃奈とおしゃべりをしたくなってしまったけれど、アリス君の鋭い視線でハッとした。
いけない、いけない。わたしは、ウエイトレスなんだ!
「いらっしゃいませ! ファミリーレストラン《りんごの木》にようこそ!」
「お前がそんなふうに考えていたとは」
「だって、聞いてくれなかったじゃんか。まぁ、オレも話そうとしなかったけど」
「そうだな。お互い、きちんと話していなかったな」
アリスパパはコトンとフォークをテーブルに置くと、アリス君の目を真っ直ぐに見つめて言った。
「おいしいぞ、白兎。これからもがんばれ」
「あ、ありがとう……」
アリス君は思わず緩んでしまったほっぺたを両手でぴしゃりと叩くと、足早にましろとりんごおじさんの所に戻って来た。
「やったね! アリス君!」
「ましろのおかげで、親にちゃんと向き合えた。ありがとな」
アリス君はニヤッと笑いながら、ましろの頭をくしゃくしゃとなで回した。
「やめてー! せっかくポニーテールしてもらったのに!」
「またしてやるって。それより店長! こいつの接客、ダメダメっすよ! 明日どうします?」
アリス君の手をどけようとしても、身長差のせいで、ましろはどうしても逃げることができない。そのうえ、接客のダメ出しだ。
「えぇーっ! そんなにダメだったの?」
「首だけでお辞儀してたし、言葉づかいもアウトだろ? あと、皿運ぶの遅すぎ」
うへぇ、厳しい! いつものアリス君に戻ってる。
ましろはりんごおじさんに助けを求めて目線を上げると、りんごおじさんは楽しそうに笑っていた。
「うちのエースパティシエが辞めずに済みましたから、フォローしてもらいましょう」
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日曜日。ましろの友達、吉備野桃奈が母親と《りんごの木》に来てくれた。
「白雪さーん! やっほー!」
カゴいっぱいの美味しそうな果物をお土産に、桃奈はましろに手を振ってくれた。
「わぁっ! すっごく美味しそう! ありがとう!」
ましろはつい桃奈とおしゃべりをしたくなってしまったけれど、アリス君の鋭い視線でハッとした。
いけない、いけない。わたしは、ウエイトレスなんだ!
「いらっしゃいませ! ファミリーレストラン《りんごの木》にようこそ!」