いきなり遅刻してしまったこと以外は、スムーズに終えることができた転校初日。ましろは、家に帰る前に《りんごの木》を訪れた。
「こんにちはー」
カランカランとドアベルが鳴った。
そっとドアを開けたつもりだったが、ドアベルはしっかりと仕事をしている。すぐさま、「準備中です~」という女の店員さんの声が飛んできたからだ。
「ごめんね。ディナータイムまでお休みなの」
「恩田さん。その子、店長の姪っ子っすよ」
ましろの顔を見て反応したのは、四十歳くらいの美人な女の店員さんと、先日も働いていた目つきの悪いお兄さん。そして、キッチンからりんごおじさんも遅れて顔を出した。
お店は、ランチタイムが終わった後のお休みの時間だったようで、その三人以外は誰もいない。
「ちょうどいいですね。ましろさんを二人に紹介します。僕の姉の子の、ましろさんです」
「白雪ましろです。小学五年生です。昨日、引っ越して来ました!」
りんごおじさんに紹介してもらい、ましろはペコリと頭を下げて挨拶をした。
そして続けて店員さんたち。
「ましろちゃん、よろしくね。私はパートの恩田つる子。だいたい平日の昼間にいるわ」
「有栖川白兎高二。夜と土日担当」
にこやかな女の人は恩田さん、目つきが悪いお兄さんは有栖川君というらしい。
アリスガワだから、アリス君って呼ばれてたんだ。かわいいニックネームだな。
そして、ましろの中で一つ謎が解けたところで、再びりんごおじさんの登場だ。
「これからは、ましろさんにも少しずつお手伝いをしてもらおうかと思っています。土日なので、とくにアリス君といっしょになるかと。いいですか?」
「店長、マジっすか」
「こんにちはー」
カランカランとドアベルが鳴った。
そっとドアを開けたつもりだったが、ドアベルはしっかりと仕事をしている。すぐさま、「準備中です~」という女の店員さんの声が飛んできたからだ。
「ごめんね。ディナータイムまでお休みなの」
「恩田さん。その子、店長の姪っ子っすよ」
ましろの顔を見て反応したのは、四十歳くらいの美人な女の店員さんと、先日も働いていた目つきの悪いお兄さん。そして、キッチンからりんごおじさんも遅れて顔を出した。
お店は、ランチタイムが終わった後のお休みの時間だったようで、その三人以外は誰もいない。
「ちょうどいいですね。ましろさんを二人に紹介します。僕の姉の子の、ましろさんです」
「白雪ましろです。小学五年生です。昨日、引っ越して来ました!」
りんごおじさんに紹介してもらい、ましろはペコリと頭を下げて挨拶をした。
そして続けて店員さんたち。
「ましろちゃん、よろしくね。私はパートの恩田つる子。だいたい平日の昼間にいるわ」
「有栖川白兎高二。夜と土日担当」
にこやかな女の人は恩田さん、目つきが悪いお兄さんは有栖川君というらしい。
アリスガワだから、アリス君って呼ばれてたんだ。かわいいニックネームだな。
そして、ましろの中で一つ謎が解けたところで、再びりんごおじさんの登場だ。
「これからは、ましろさんにも少しずつお手伝いをしてもらおうかと思っています。土日なので、とくにアリス君といっしょになるかと。いいですか?」
「店長、マジっすか」