「りんごおじさん、どうしてここに?」
「あなたが行方不明になったとアリス君から聞いて……! よかった、無事で!」
わたしのこと、探してくれてたんだ!
ましろは、りんごおじさんが自分のことを心配してくれたことがうれしくて、パッと笑顔になった。
ほら、やっぱりりんごおじさんは優しい。
「りんごおじさん、ありが……」
「凛悟君! 姪っ子さん、いたのかい?」
ましろの言葉を遮ったのは、後ろから走って来た小折シェフだった。その姿を見た途端、ましろの胸はズキズキと痛くなる。
「花衣里さん、ありがとうございました。ましろさん、見つかりましたよ」
「よかった。安心したよ。……ふふっ。あんなに慌てる凛悟君は初めて見たよ」
小折シェフは爽やかに笑っていたけれど、どうやらましろは、小折シェフとりんごおじさんのデートを邪魔してしまったらしい。
わたしのせいで、りんごおじさんが不自由になる。わたしのせいで、りんごおじさんが幸せになれない……。
お父さんとの会話を思い出して、ましろの体は凍りつく。
「では、帰りましょう。詳しい話は、後で聴かせてもらいますよ?」
りんごおじさんは、笑顔でましろに右手を差し伸べた。けれど、ましろはその手を取ることができなかった。
「りんごおじさん。わたし……、お父さんのところに行く」
「どういう……ことです?」
ましろの絞り出すような声に、りんごおじさんの右手は行き場をなくす。そして、りんごおじさんは険しい顔で、ましろを問いただした。
「もしかして、七人さんに会っていたんですか? あの人から、何か言われたんですか……っ?」
「別に、いっしょに暮らそうって話しただけだよ」
「今のましろさんの保護者は僕です。そんな大切な話を、勝手に決めては……」
「りんごおじさんは、『叔父さん』でしょ!」
思ったよりも、強くて大きな声が出てしまった。そして、りんごおじさんの顔色が青くなったのを見て、ましろの胸は絞られたタオルのように痛くなる。やだよ、そんな顔しないでと叫びたくなるが、ましろの口からその言葉は出てこなかった。
その代わりに口から出た言葉は、ほとんどお父さんの言っていたことと同じだった。
「あなたが行方不明になったとアリス君から聞いて……! よかった、無事で!」
わたしのこと、探してくれてたんだ!
ましろは、りんごおじさんが自分のことを心配してくれたことがうれしくて、パッと笑顔になった。
ほら、やっぱりりんごおじさんは優しい。
「りんごおじさん、ありが……」
「凛悟君! 姪っ子さん、いたのかい?」
ましろの言葉を遮ったのは、後ろから走って来た小折シェフだった。その姿を見た途端、ましろの胸はズキズキと痛くなる。
「花衣里さん、ありがとうございました。ましろさん、見つかりましたよ」
「よかった。安心したよ。……ふふっ。あんなに慌てる凛悟君は初めて見たよ」
小折シェフは爽やかに笑っていたけれど、どうやらましろは、小折シェフとりんごおじさんのデートを邪魔してしまったらしい。
わたしのせいで、りんごおじさんが不自由になる。わたしのせいで、りんごおじさんが幸せになれない……。
お父さんとの会話を思い出して、ましろの体は凍りつく。
「では、帰りましょう。詳しい話は、後で聴かせてもらいますよ?」
りんごおじさんは、笑顔でましろに右手を差し伸べた。けれど、ましろはその手を取ることができなかった。
「りんごおじさん。わたし……、お父さんのところに行く」
「どういう……ことです?」
ましろの絞り出すような声に、りんごおじさんの右手は行き場をなくす。そして、りんごおじさんは険しい顔で、ましろを問いただした。
「もしかして、七人さんに会っていたんですか? あの人から、何か言われたんですか……っ?」
「別に、いっしょに暮らそうって話しただけだよ」
「今のましろさんの保護者は僕です。そんな大切な話を、勝手に決めては……」
「りんごおじさんは、『叔父さん』でしょ!」
思ったよりも、強くて大きな声が出てしまった。そして、りんごおじさんの顔色が青くなったのを見て、ましろの胸は絞られたタオルのように痛くなる。やだよ、そんな顔しないでと叫びたくなるが、ましろの口からその言葉は出てこなかった。
その代わりに口から出た言葉は、ほとんどお父さんの言っていたことと同じだった。



