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「萌、萌!」


腕の中へ倒れ込んできた萌に必死に声をかけるが、萌はきつく目を閉じたままだ。


その顔は青白く、呼吸もみだれているように感じられる。


すぐに燃えの担任に連絡しようとしたとき、騒ぎを聞きつけたのか当人が駆けつけてきてくれた。


「どうした、大丈夫か!?」


「突然倒れました。先生、救急車を!」


「わかった!」


萌の担任は慣れた手付きで救急車を呼ぶ。


萌が学校で倒れるのはこれで3度目だ。


廊下にいた生徒たちはざわめき、教室内に居た生徒たちは何事かと顔をのぞかせてくる。


その中には萌と同じクラスの生徒たちもいて、思わずにらみつけていた。


何が原因がかわらないけれど、萌は今クラスで孤立している。


それなのに、こんなときには好奇心をむき出しにして見学しに来るなんて、どんな神経をしているんだろう。


普段からお前らがもっと萌を気にかけていてやれば……!


そんな言葉が喉元まででかかる。


「今日は先生がついているから、高野はちゃんと授業を受けなさい」


「でもっ!」


「病院に到着したらちゃんと連絡する。わかったな?」


先生の有無も言わせぬ言葉に大樹は黙り込んでしまったのだった。