なにかを隠していることは明白だった。


あるいは人には簡単には言えないことなのかもしれない。


大樹はこのまま萌を問いただして理由を知りたいと思ったが、無理強いはできなかった。


萌の体は今でも病魔に蝕まれているのだ。


これ以上の負担をかけたくはない。


「わかった。それなら言えるときがあったら言ってほしい」


大樹はそれだけ伝えると、話題を変えたのだった。