どれも萌を心配する内容ばかりだ。


他にも友人らからのメッセージが届いていたけれど、まずは大樹に返信することに決めた。


《萌:返事できなくてごめん! 私なら大丈夫だよ!》


元気な絵文字と共に送ろうとして、一瞬指先が止まる。


これを送ってしまえば嘘をつくことになってしまう。


大樹には本当のことを伝えたいという気持ちが湧いてくる。


だけど、萌と大樹は付き合っているわけではなかった。


お互いに少しいいなと感じている部分はあるけれど、それを口に出してはいない。


それならこのままなにも言わずに友達で居たほうがいいのではないか?


自分はすでに死ぬ時期が決まっている。


大樹が悲しむ結果になるとわかっているのに、わざわざ近づく必要はない。


萌は自分自身にそう言い聞かせた。


胸の奥には深い痛みを感じたけれど、それは見て見ぬ振りをして、元気だと嘘をついたメセージを送る。


……これでいいんだ。


ほんの少しだけ涙が出そうになったけれど、力を込めてそれをとどめたのだった。