萌に言われてようやく一歩踏み出すことができた。


「萌、すごく綺麗だ」


萌は少し明るい色のウィッグをつけていて、そこにはティアラが乗っている。


首元には真珠のネックレスが光っていた。


「照れるから言わないで」


頬をピンク色に染める萌は世界一綺麗で可愛かった。


こんな人が自分のお嫁さんになってくれるなんてもったいないと思うくらいだ。


「準備ができたら、行こうか。みんな待ってる」


「うん」


大樹は萌の車椅子を押してゆっくりと歩き出したのだった。