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それから大樹は萌に気が付かれないように他の女の子とキスをした。


相手は女の子でなくてもいいのかもしれない。


だけど、声をかけるには女の子の方が簡単だった。


もともと人気のある大樹は声をかければ大抵の女の子がついてきてくれた。


そこで言葉巧みにキスをして、命を1日もらっていたのだ。


そしてそれを萌に渡す。


ずっと、それを繰り返してきていたのだ。


話を終えた大樹がベッドへ視線をやると萌が大きな目をさらに見開いてこちらを見ていた。


希は怪訝そうな表情だ。


すぐに信用してもらえるとは思っていなかった。


自分だって、自分がもらった力について随分と疑ってきた。


しかし、ある日医大に通っている兄から注意を受けたたことで、あの神社の力が本物であることがわかったのだ。


兄は大樹のしていることは神の領域だと攻めた。


それならどうしてその神は自分にこの力を授けたのか。


大樹はこの力を使うためだと信じていた。


「本当に、そんなことがあるの?」


大樹とキスをするたびに体調が良くなっていた萌あ、声を震わせている。


「あぁ、本当だ」