そう答えてニヤける頬を必死で押さえる。


それでもニヤけは止まらなくて結局頬を抑えていた手を離してしまった。


「お前、本当に福永さんのこと好きになったんだな」


「なんだよ、悪いのか? あ、もしかしてお前も!?」


「そんなワケないだろ。俺はスポーツ一本だ」


「お前がスポーツバカで良かったよ」


「ただ……」


厚はそこで言葉を切った。


顔を向けるとさっきから同じように空を見上げている。


けれどその目はどこか他のところを見ているように感じられた。


「ただ、なんだよ?」


「……いや、なんでもない。俺の思い過ごしだと思う」


厚の言葉に大樹は首をかしげたのだった。