☆☆☆
大樹はいつもと変わらない様子だった。
面白おかしく萌を笑わせてくれる。
部活の話とか友達の厚くんの話とか。
それを聞いている萌も飽きることなく、自然と笑顔がこぼれだす。
「どうした?」
けれど今日の萌はやはり少し上の空で、大樹はすぐにそれに気がついてしまった。
「え、なにが?」
「とぼけても無駄だぞ? ずっと萌の事を見てたらなんだってわかるんだからな」
大樹は萌の手を握りしめて言う。
暖かくて大きな手にいつもなら安堵を覚えるのに、今日の萌はなぜか焦燥感を抱いた。
この手は他の子に触れているのではないか。
他の子の手を、同じように握りしめているのではないか。
そんな不安は手を伝わって大樹に通じてしまったようで、「本当に、なにかあったんじゃないのか?」と、真剣な表情で聞かれた。
「あのさ……」
「なに?」
「大樹って、モテるよね」
直接質問する勇気のない萌は遠回りな質問をした。
大樹は目をパチクリさせている。
「なんだそれ?」
「冗談で聞いてるんじゃないの。ちゃんと答えて?」
真剣な萌の声色に大樹は怪訝そうな表情を浮かべながらも「まぁ、普通なんじゃないか?」と、返事をした。
大樹はいつもと変わらない様子だった。
面白おかしく萌を笑わせてくれる。
部活の話とか友達の厚くんの話とか。
それを聞いている萌も飽きることなく、自然と笑顔がこぼれだす。
「どうした?」
けれど今日の萌はやはり少し上の空で、大樹はすぐにそれに気がついてしまった。
「え、なにが?」
「とぼけても無駄だぞ? ずっと萌の事を見てたらなんだってわかるんだからな」
大樹は萌の手を握りしめて言う。
暖かくて大きな手にいつもなら安堵を覚えるのに、今日の萌はなぜか焦燥感を抱いた。
この手は他の子に触れているのではないか。
他の子の手を、同じように握りしめているのではないか。
そんな不安は手を伝わって大樹に通じてしまったようで、「本当に、なにかあったんじゃないのか?」と、真剣な表情で聞かれた。
「あのさ……」
「なに?」
「大樹って、モテるよね」
直接質問する勇気のない萌は遠回りな質問をした。
大樹は目をパチクリさせている。
「なんだそれ?」
「冗談で聞いてるんじゃないの。ちゃんと答えて?」
真剣な萌の声色に大樹は怪訝そうな表情を浮かべながらも「まぁ、普通なんじゃないか?」と、返事をした。