砂場に取り残されて小さなバケツを手に取り、萌がつぶやく。
「また明日来るからだろ? 毎日持ってきてたら大変だし」
「でも、盗まれるかもしれないのに」
そういいながら萌は子供みたいに小さなスコップを使ってバケツに土を詰め始めた。
「この公園に来るのは決まって同じメンバーで、使っても定位置に戻しておく。それが子供たちの暗黙のルールなのかも」
大樹は萌と一緒に砂の山を作り始めた。
子供時代には毎日のように触っていた砂場の土は、思っていた以上にサラサラとしている。
「土ってこんなんだっけ?」
「こんなんだったよ」
萌は熱心に山を大きくして固めていっている。
「子供の世界でもさ、暗黙のルールってあるんだね」
「たぶんな。あんまり覚えてないけど」
子供時代なんてつい最近だった気がするけれど、もう遠い昔になってしまった気もする。
萌の作った大きな山は、今度は少しずつ少しずつ姿を変えていた。
丸いだけだった山が今度はお城のようなフォルムになってきている。
「ここはお城?」
「そうだよ。お姫様が暮らしてるの」
「王子様と一緒に?」
「ううん。王子様が来るのを待ってる」
萌の言葉に大樹はチラリとその顔を確認した。
城作りに熱中しているようで、少しだけ唇が突き出している。
「また明日来るからだろ? 毎日持ってきてたら大変だし」
「でも、盗まれるかもしれないのに」
そういいながら萌は子供みたいに小さなスコップを使ってバケツに土を詰め始めた。
「この公園に来るのは決まって同じメンバーで、使っても定位置に戻しておく。それが子供たちの暗黙のルールなのかも」
大樹は萌と一緒に砂の山を作り始めた。
子供時代には毎日のように触っていた砂場の土は、思っていた以上にサラサラとしている。
「土ってこんなんだっけ?」
「こんなんだったよ」
萌は熱心に山を大きくして固めていっている。
「子供の世界でもさ、暗黙のルールってあるんだね」
「たぶんな。あんまり覚えてないけど」
子供時代なんてつい最近だった気がするけれど、もう遠い昔になってしまった気もする。
萌の作った大きな山は、今度は少しずつ少しずつ姿を変えていた。
丸いだけだった山が今度はお城のようなフォルムになってきている。
「ここはお城?」
「そうだよ。お姫様が暮らしてるの」
「王子様と一緒に?」
「ううん。王子様が来るのを待ってる」
萌の言葉に大樹はチラリとその顔を確認した。
城作りに熱中しているようで、少しだけ唇が突き出している。