頬を伝って流れる涙は大樹の肩口に吸い込まれて消えていく。


「なれるかな、お嫁さん」


「なれるよ。絶対」


自分の腕の中で震える萌を、大樹はいつまでもいつまでも抱きしめ続けていたのだった。