この場に櫻ちゃんを呼んでしまったのは間違いだった。神奈月華は私のことを何とも思ってないけど、私はついつい敵視してしまう。本来ならばここに櫻ちゃんが来ることは無かったはずなのに。
大学2年生の時、私は櫻ちゃんに依存していて精神的におかしくなっていた時があった。今考えるとゾッとするくらい恐ろしい。このおかしさは高校生の時から付き合っていた櫻ちゃんと別れる原因になって、しばらくの間私と櫻ちゃんは連絡も取ってなかった。近づかないことが私が出来る償いだと思っていたから。しかし、保那くんの事もあって今は緊急事態だから仕方ないと思い、美湖ちゃんと文章を相談しながら櫻ちゃんにメッセージを送った。もしかしたらメッセージアカウント自体ブロックされている恐れもあるし、美湖ちゃんも私のせいで櫻ちゃんの連絡先を消しちゃったから私が送ったメッセージに既読が付かなかったら終わりだった。しかしそんな焦る想いとは裏腹に1時間後くらいに櫻ちゃんメッセージの返信が来た。その時は安心して美湖ちゃんに思いっきり抱きついて物理的に苦しめた思い出がある。私は保那くんの話だけを櫻ちゃんにしてメッセージを送った2日後に病院に来てくれた。久しぶりに会った櫻ちゃんの顔は相変わらずキリッとした顔立ちでもしかしたら他の人ともう結ばれているかもしれないと内心恐れていた。櫻ちゃんは保那くんが結構危ない状況とわかったのかその日だけでなく1週間に1回のペースでお見舞いに来てくれていた。私と会った時は前の変わらず笑って接してくれて、私がこの笑顔を一時的でも奪ってしまったことに今さら後悔する。私と櫻ちゃんの関係は時間の保那くんが友達の状態まで戻してくれた。今ではちょくちょく連絡を取り合うくらいまで信頼を取り戻せてきている。
しかし私はここで終わりたくなかった。
『復縁』の文字が頭の中に浮かんでくるあたりきっと未練タラタラなのだろう。ただ、今告白したって戻れないのはわかっている。だから徐々に私への気持ちを向けてくれたらという作戦を練り上げた。まぁ、目の前にいる本人には私の熱烈な復縁願望さえ気づいて貰えてないみたいで少し鈍感な所は変わってないなと心の中で笑ってしまう。
「ねぇ七海、いくら何でも画像の枚数多くない?これ全部詰めるの?」
「そんなに多いかなぁ?これでも限界まで絞り切ったんだけど…」
「一体何枚あるんですか先輩」
2人は神奈月華が持ってきたパソコンに送った私が撮った写真を呆れたようにスクロールして見ている。同じ画面を見るので2人の距離が近くなってしまうのは仕方ない。このムカムカは櫻ちゃんを呼んだ私が悪いのだ。ただ会いたいという気持ちで連絡を送ってしまった私が悪い。神奈月華がアルバム制作担当するという文章を、会うと決定した時に送ったのも悪かった気がする。…でも神奈月華のことは浮気した櫻ちゃんが悪いと思う。根本的な原因は私だけど。
でも目の前にいる2人の心臓はバクバクしているのではないだろうか。元浮気相手を元カノが引き寄せたのだから。それを少し楽しんでしまっている私は性格が歪んでいると思う。
「似たような写真が固まってる部分がありますね」
「これ削除していい?」
「えっ、ダメだよ!どれも表情が違うじゃん!」
「私には同じように見えるけど…」
「私もです」
「私は違う」
「とりあえず、こんなにはアルバムに載せられない。全部載せたいならそれなりの代金払って」
「あっ、いや…」
多少揉めながら写真を見ていると定員さんが飲み物とパンケーキを運んでくれて私達は目をキラキラと子供のように輝かせる。ひとまずパンケーキを食べようと私達は机の物を片付けていると神奈月華が私に向かってパソコンを見せてきた。
「七海、なんか別の写真送られてきてない?」
「どれ?……あっ」
「何ですか?……えっ」
「……何で七海と櫻が近い距離で写ってる写真があるの?」
その言葉でパソコンの画面に顔面蒼白になる私と櫻ちゃんが反射で映った。運ばれてきた3つの飲み物に入っていた氷が同時に揺れる音が、黙った私達の空間にカランと響いていた。
大学2年生の時、私は櫻ちゃんに依存していて精神的におかしくなっていた時があった。今考えるとゾッとするくらい恐ろしい。このおかしさは高校生の時から付き合っていた櫻ちゃんと別れる原因になって、しばらくの間私と櫻ちゃんは連絡も取ってなかった。近づかないことが私が出来る償いだと思っていたから。しかし、保那くんの事もあって今は緊急事態だから仕方ないと思い、美湖ちゃんと文章を相談しながら櫻ちゃんにメッセージを送った。もしかしたらメッセージアカウント自体ブロックされている恐れもあるし、美湖ちゃんも私のせいで櫻ちゃんの連絡先を消しちゃったから私が送ったメッセージに既読が付かなかったら終わりだった。しかしそんな焦る想いとは裏腹に1時間後くらいに櫻ちゃんメッセージの返信が来た。その時は安心して美湖ちゃんに思いっきり抱きついて物理的に苦しめた思い出がある。私は保那くんの話だけを櫻ちゃんにしてメッセージを送った2日後に病院に来てくれた。久しぶりに会った櫻ちゃんの顔は相変わらずキリッとした顔立ちでもしかしたら他の人ともう結ばれているかもしれないと内心恐れていた。櫻ちゃんは保那くんが結構危ない状況とわかったのかその日だけでなく1週間に1回のペースでお見舞いに来てくれていた。私と会った時は前の変わらず笑って接してくれて、私がこの笑顔を一時的でも奪ってしまったことに今さら後悔する。私と櫻ちゃんの関係は時間の保那くんが友達の状態まで戻してくれた。今ではちょくちょく連絡を取り合うくらいまで信頼を取り戻せてきている。
しかし私はここで終わりたくなかった。
『復縁』の文字が頭の中に浮かんでくるあたりきっと未練タラタラなのだろう。ただ、今告白したって戻れないのはわかっている。だから徐々に私への気持ちを向けてくれたらという作戦を練り上げた。まぁ、目の前にいる本人には私の熱烈な復縁願望さえ気づいて貰えてないみたいで少し鈍感な所は変わってないなと心の中で笑ってしまう。
「ねぇ七海、いくら何でも画像の枚数多くない?これ全部詰めるの?」
「そんなに多いかなぁ?これでも限界まで絞り切ったんだけど…」
「一体何枚あるんですか先輩」
2人は神奈月華が持ってきたパソコンに送った私が撮った写真を呆れたようにスクロールして見ている。同じ画面を見るので2人の距離が近くなってしまうのは仕方ない。このムカムカは櫻ちゃんを呼んだ私が悪いのだ。ただ会いたいという気持ちで連絡を送ってしまった私が悪い。神奈月華がアルバム制作担当するという文章を、会うと決定した時に送ったのも悪かった気がする。…でも神奈月華のことは浮気した櫻ちゃんが悪いと思う。根本的な原因は私だけど。
でも目の前にいる2人の心臓はバクバクしているのではないだろうか。元浮気相手を元カノが引き寄せたのだから。それを少し楽しんでしまっている私は性格が歪んでいると思う。
「似たような写真が固まってる部分がありますね」
「これ削除していい?」
「えっ、ダメだよ!どれも表情が違うじゃん!」
「私には同じように見えるけど…」
「私もです」
「私は違う」
「とりあえず、こんなにはアルバムに載せられない。全部載せたいならそれなりの代金払って」
「あっ、いや…」
多少揉めながら写真を見ていると定員さんが飲み物とパンケーキを運んでくれて私達は目をキラキラと子供のように輝かせる。ひとまずパンケーキを食べようと私達は机の物を片付けていると神奈月華が私に向かってパソコンを見せてきた。
「七海、なんか別の写真送られてきてない?」
「どれ?……あっ」
「何ですか?……えっ」
「……何で七海と櫻が近い距離で写ってる写真があるの?」
その言葉でパソコンの画面に顔面蒼白になる私と櫻ちゃんが反射で映った。運ばれてきた3つの飲み物に入っていた氷が同時に揺れる音が、黙った私達の空間にカランと響いていた。