この計画は完璧だ。
俺はこの会社で一番の若手。男ばかりの建設会社に今年、未婚女性が入社してきた。友達付き合いもほとんどなかった俺が、手近なところに出会いを求めるのはごく自然な流れだった。
しかも、彼女は「超」がつくほどの美人。愛想がよくて、よく気がついて。そして、いつもニコニコしている。こんな子を嫁にしたいと何度思ったことだろうか。
初めて彼女とプライベートを共にしたのは、先輩が音頭をとった夜ごはんだった。独身の先輩が、仕事終わりに「飲みに行かないか」と誘ってくれた。たまたまその場に残っていた、俺と彼女と先輩、3人で飲んだのか最初。
そこで「彼氏がいない」という事実を確認した俺は、1週間後に彼女を寿司屋に誘った。それが2回目のプライベートで、初めてのデートと呼べる食事だった。
彼女はよく飲む人だった。
「両親も強いの」
と、ビールを飲みながら、顔を赤くして、小声で言うのがかわいらしかった。俺は全然飲めないのだけど、彼女につられて、同じペースで飲んでいると、すぐに記憶がなくなった。そんな訳で、「初デート」の記憶はほとんどない。
2人で出かけられる仲なのに、2人はまだまだ、ただの歳が近い同僚だった。この関係を「特別」にしたくて計画したのが、バラ公園へのドライブデート。
3回目のプライベート×バラ公園。
そして、シンプルな告白。
「好きです。結婚を前提に、お付き合いしていただけませんか?」
この計画、最高だ。
仕事がない土曜日に、待ち合わせて車で1時間。バラ公園まで山あり谷ありの峠道をエスコートする。
バラ公園には、ハート形のバラ枠があるんだ。その真ん中に立って告白したカップルは幸せになれるんだとか。バラ公園には教会も併設されていて、ここで式を挙げると幸せになれるとか。そんなことを話しながら運転していた。
ハンドルを握りながら見つめた彼女は、美しく、愛おしかった。このまま、バラ枠の真ん中で永遠の愛を誓いたかった。
「好きです。結婚を前提に、お付き合いしていただけませんか?」
何度も何度も練習した。心の中で今日も100回は言っている。
あとは彼女に伝えるだけだ。
俺はこの会社で一番の若手。男ばかりの建設会社に今年、未婚女性が入社してきた。友達付き合いもほとんどなかった俺が、手近なところに出会いを求めるのはごく自然な流れだった。
しかも、彼女は「超」がつくほどの美人。愛想がよくて、よく気がついて。そして、いつもニコニコしている。こんな子を嫁にしたいと何度思ったことだろうか。
初めて彼女とプライベートを共にしたのは、先輩が音頭をとった夜ごはんだった。独身の先輩が、仕事終わりに「飲みに行かないか」と誘ってくれた。たまたまその場に残っていた、俺と彼女と先輩、3人で飲んだのか最初。
そこで「彼氏がいない」という事実を確認した俺は、1週間後に彼女を寿司屋に誘った。それが2回目のプライベートで、初めてのデートと呼べる食事だった。
彼女はよく飲む人だった。
「両親も強いの」
と、ビールを飲みながら、顔を赤くして、小声で言うのがかわいらしかった。俺は全然飲めないのだけど、彼女につられて、同じペースで飲んでいると、すぐに記憶がなくなった。そんな訳で、「初デート」の記憶はほとんどない。
2人で出かけられる仲なのに、2人はまだまだ、ただの歳が近い同僚だった。この関係を「特別」にしたくて計画したのが、バラ公園へのドライブデート。
3回目のプライベート×バラ公園。
そして、シンプルな告白。
「好きです。結婚を前提に、お付き合いしていただけませんか?」
この計画、最高だ。
仕事がない土曜日に、待ち合わせて車で1時間。バラ公園まで山あり谷ありの峠道をエスコートする。
バラ公園には、ハート形のバラ枠があるんだ。その真ん中に立って告白したカップルは幸せになれるんだとか。バラ公園には教会も併設されていて、ここで式を挙げると幸せになれるとか。そんなことを話しながら運転していた。
ハンドルを握りながら見つめた彼女は、美しく、愛おしかった。このまま、バラ枠の真ん中で永遠の愛を誓いたかった。
「好きです。結婚を前提に、お付き合いしていただけませんか?」
何度も何度も練習した。心の中で今日も100回は言っている。
あとは彼女に伝えるだけだ。