「あんたがやりなさいよ」
「ほら、お皿洗いくらいできて当然でしょう?」
 いつも理不尽なことばかり。
 双子の姉も継母も私を嫌って。
 お父さんがいたころはまだマシだったのに。
 お父さんが事故死してしまってからは二人にこき使われる毎日だった。
「あ、そうだ芽唯、これ先生に明日渡してくれない?」
「え?」
「なに」
 どうしよう。この状況で否と答えたらまた嫌な事が起きるに違いない。
 じっと耐えて、今が過ぎるのを待つ、ただそれだけ。
「わかった……」
「ん、じゃあ、これ」
 そう言って渡されたのは何百枚と重なったプリント。
 重すぎる。
「はぁ……」
 この生活はいつまで続くの?