この文書は、七月一日午後十時三十二分に発生した、中学生と思料される少年による警察官銃撃事件の記録の一部である。

 尚、無線通信記録を文書化したため一部内容に修正があるものの、当時の記録をできるだけ忠実に再現するよう努力した次第である。

◯警察官と通信指令室のやりとり内容

『至急至急、桜木四からS本部』

『本部です。桜木四どうぞ 』

『了解。緊急につき、一方的に通話します。桜木町四丁目の桜木公園にて、中学生と思料される少年二人が喫煙していたため職質したところ、少年の一人が所持していた拳銃をPM(警察官)に向けて発砲。これにより、PM一名が負傷。また、負傷したPMが拳銃にて応戦した為、少年一名が負傷。尚、銃撃した少年は拳銃を所持したまま逃走中。繰り返す、少年一名が拳銃を所持したまま逃走中。逃走先は――』