いきなり背後から聞こえた言葉に、私と虎太は振り返った。そこには彼の仕事場である、遠い海に居るはずの紫電さまが居た。彼の名の由来となった紫の瞳に宿る、強い怒り。
「紫電さまっ……」
助けに来てくれた彼の方向に行こうとした私をそうはさせまいとして、虎太は肩をぐっと掴んだ。
「嫌だね。雪風は俺の嫁になるはずだったんだ。それを、横から奪いやがって。海神だかなんだか知らねえけど、俺にいやらしい夢を見せられて喜んでんじゃねえよ」
そう言われて、紫電さまは目に見えて顔を赤くした。
「いやらしい……夢?」
私は虎太の言葉を聞いて、ぽかんとした。今思えば、いつも隣で健やかに眠っていた紫電さまは虎太に夢を見せられていたって言ってた。
私と……そういうことをしている夢を?
「雪風に夢の内容を言えば、すぐに殺すよ」
殺意の籠った声を出した紫電さまに、私は驚いた。彼のこういった面を、今まで見たことはなかったからだ。
「紫電さまっ……」
助けに来てくれた彼の方向に行こうとした私をそうはさせまいとして、虎太は肩をぐっと掴んだ。
「嫌だね。雪風は俺の嫁になるはずだったんだ。それを、横から奪いやがって。海神だかなんだか知らねえけど、俺にいやらしい夢を見せられて喜んでんじゃねえよ」
そう言われて、紫電さまは目に見えて顔を赤くした。
「いやらしい……夢?」
私は虎太の言葉を聞いて、ぽかんとした。今思えば、いつも隣で健やかに眠っていた紫電さまは虎太に夢を見せられていたって言ってた。
私と……そういうことをしている夢を?
「雪風に夢の内容を言えば、すぐに殺すよ」
殺意の籠った声を出した紫電さまに、私は驚いた。彼のこういった面を、今まで見たことはなかったからだ。