「構いませんよ」
雪弥はそう答えながら、コンタクトレンズを入れた容器のフタをしめた。
それを携帯電話をしまっているポケットに突っ込んだ時、足音が聞こえてきた。顔を上げてみると、キッチンから宮橋が戻ってくるのが見えた。向かってくる彼の手には、缶ビールが二本ある。
「ビールは飲めるか」
近くで立ち止まった彼が、ずいっと一本を差し出しながら言う。
雪弥は宮橋ではなく、ずっと缶ビールに目を留めたまま小さく見開いていた。少し遅れて「はい」と答えると、そのまま遠慮せず手を伸ばした。
「まぁ、好物かもしれませんね」
「ふうん。君は口よりも手が正直だな。僕は、どちらかといえばワインが好みだ」
「もしくはウイスキー割り」
「おや、そこは好みが合いそうだ」
言いながら移動した宮橋が、どかりと向かいのソファに腰を下ろす。互いがプシュッとビールを開けて、それぞれのタイミングで口にした。
口許にやっていた缶を下ろした矢先、宮橋がそちらの指を向けてこう言った。
雪弥はそう答えながら、コンタクトレンズを入れた容器のフタをしめた。
それを携帯電話をしまっているポケットに突っ込んだ時、足音が聞こえてきた。顔を上げてみると、キッチンから宮橋が戻ってくるのが見えた。向かってくる彼の手には、缶ビールが二本ある。
「ビールは飲めるか」
近くで立ち止まった彼が、ずいっと一本を差し出しながら言う。
雪弥は宮橋ではなく、ずっと缶ビールに目を留めたまま小さく見開いていた。少し遅れて「はい」と答えると、そのまま遠慮せず手を伸ばした。
「まぁ、好物かもしれませんね」
「ふうん。君は口よりも手が正直だな。僕は、どちらかといえばワインが好みだ」
「もしくはウイスキー割り」
「おや、そこは好みが合いそうだ」
言いながら移動した宮橋が、どかりと向かいのソファに腰を下ろす。互いがプシュッとビールを開けて、それぞれのタイミングで口にした。
口許にやっていた缶を下ろした矢先、宮橋がそちらの指を向けてこう言った。