自分が、重要な何かを始めからずっと踏み間違えているような気がしていた。
どうやら視点と認識のスタート時点からが、既に誤りであったのだろう。
全部嘘だ、嘘だった。
つまりはあの新幹線に乗っていた時から、何もかもがデタラメだったのだ。
だが当時、公園で一人増えていると感じたのは気のせいではなかった。これは事実である。何故なら、麦わら帽子をかぶった男の子に「面白い『遊び』があるんだよ」と教えられたのは、この私であり、公園で待ち合わせしようと一方的に皆に伝えたのも私だったからだ。
――「ハヤミ君、私、オバケがすごく怖いの」
あの時、私のシャツをそっとつまんで引き留め、耳元に唇を寄せた彼女はそう呼んだ。ようやく思い出せた。それが、全て正しいのである。
私の名前は、『イナハタ』ではなかった。
私は五人の中で一番元気に溢れた、『ハヤミ』と呼ばれていた男の子だった。
私は幼馴染の女の子の『ミサナちゃん』が本当に大好きで、同じ年頃の子供達の中で、少々気難しい喋り方をしていた『イナハタ君』の賢さに憧れていた。
どうやら視点と認識のスタート時点からが、既に誤りであったのだろう。
全部嘘だ、嘘だった。
つまりはあの新幹線に乗っていた時から、何もかもがデタラメだったのだ。
だが当時、公園で一人増えていると感じたのは気のせいではなかった。これは事実である。何故なら、麦わら帽子をかぶった男の子に「面白い『遊び』があるんだよ」と教えられたのは、この私であり、公園で待ち合わせしようと一方的に皆に伝えたのも私だったからだ。
――「ハヤミ君、私、オバケがすごく怖いの」
あの時、私のシャツをそっとつまんで引き留め、耳元に唇を寄せた彼女はそう呼んだ。ようやく思い出せた。それが、全て正しいのである。
私の名前は、『イナハタ』ではなかった。
私は五人の中で一番元気に溢れた、『ハヤミ』と呼ばれていた男の子だった。
私は幼馴染の女の子の『ミサナちゃん』が本当に大好きで、同じ年頃の子供達の中で、少々気難しい喋り方をしていた『イナハタ君』の賢さに憧れていた。