所詮お遊びのゲームだ。幽霊やオバケなんて、あるはずがないじゃないかと誰かが言った――でも私は、誰がそんなことを言ったのか覚えていない。

 コレは霊感の有無を判断できるという、ただのゲームでしかないはずなのだ。

 ただ、誰がそれを広めたのだったろうか?
 都会で流行ったらしいそれを、この田舎町に持ち込んで来たのは、誰だったか……?

 記憶を辿ろうとした我々は、不意に、一つの共通した違和感に小さく戦慄した。

 どうしてか、その場に集まった子供の数が、一人多いような気がした。

 しかし、どれほど考えてもよく分からぬ。
 我々の思考と視覚が、先程まで目を閉じていた暗闇にすっかり慣れて、チカチカしていたせいかもしれぬ。

 けれど怯えは伝染するかのようにして瞬く間に我々の間に広がり、すぐに強い恐怖へと変わった。


「怖い、帰ろう」


 とうとう、彼女が泣きそうな声を上げて、ここでもう帰ることになった。

 まず、ぶるぶると震えて特に怖がっていた彼をみんなで送り届けた。それから私達は、各々帰るためにしばらく夕日色に染まった川沿いを一緒に歩いたのだ。