けれど何故か、今、その名が思い出せないでいるのだ。
歳のせいだろうか。それとも、数十年の年月が過ぎたせいか……?
「全く、君は本当に怖がりだね。霊感をチェックするゲームだなんて、ただの心理ゲームみたいなものだろう」
よく一緒に遊んでいたはずの、気難しい言葉をよく喋る幼馴染の男友達の名すらも思い出せないでいた。あの日、彼は顰め面でそう言って、私の後ろに隠れていた彼女を見やったのだ。
彼女が「だって」と渋るように呟くと、それを聞いた途端に彼が「やれやれ」と言って頭をかいた。それは少し感情表現が苦手な彼の癖で、困ってしまった時は、そうやって何食わぬ顔で突然私に話を振ってきた。
「おい、※※※君。彼女は、先に帰してしまった方が良いのではないだろうか?」
彼なりに、怖がる彼女を気遣った提案だった。
何せ、その霊感テストをやってみようと言い出したのは隼巳だ。彼が「やろう」と言った事は、余程のことがない限りは決行される。だからやりたくないのなら、今ここで帰してしまうのが一番の解決策だった。隼巳はいつでも、友人と一緒になんでもやりたがったから。
歳のせいだろうか。それとも、数十年の年月が過ぎたせいか……?
「全く、君は本当に怖がりだね。霊感をチェックするゲームだなんて、ただの心理ゲームみたいなものだろう」
よく一緒に遊んでいたはずの、気難しい言葉をよく喋る幼馴染の男友達の名すらも思い出せないでいた。あの日、彼は顰め面でそう言って、私の後ろに隠れていた彼女を見やったのだ。
彼女が「だって」と渋るように呟くと、それを聞いた途端に彼が「やれやれ」と言って頭をかいた。それは少し感情表現が苦手な彼の癖で、困ってしまった時は、そうやって何食わぬ顔で突然私に話を振ってきた。
「おい、※※※君。彼女は、先に帰してしまった方が良いのではないだろうか?」
彼なりに、怖がる彼女を気遣った提案だった。
何せ、その霊感テストをやってみようと言い出したのは隼巳だ。彼が「やろう」と言った事は、余程のことがない限りは決行される。だからやりたくないのなら、今ここで帰してしまうのが一番の解決策だった。隼巳はいつでも、友人と一緒になんでもやりたがったから。