その数日後、彼もまた、彼女と同じようにいなくなった。

 けれど彼の場合、彼女のように忽然と消えてしまった訳ではない。
 彼は事故で死んだ。それは唐突の死で、続けて友人を失った私達のショックは大きかった。

「その霊感テストは、霊感があるかどうかが分かるモノらしいですね。道具も場所もいらないから、誰でも簡単に出来る――でも、すごく怖い話がついて回っているんですよ」

 なかなかタクシーが見つからず「ちょっと休憩しましょうか」と、私にベンチに座ることを促したミサナが、腰かけて一息吐いたところで思い出したように話し出した。ひどく暑い日差しのせいで、私達はすっかり汗だくになってしまっている。

「少しでも霊感がある人は、そこで自分以外の【誰か】を見たりするんだそうです。でもそれでハイ終わりというわけではないようで、会ってしまうと呪われるだとか、祟られるだとか、もう出られなくなってしまうという噂話は結構聞きましたよ」