「『ウミンチュ』って、沖縄で『海人』って書いてそう読むやつでしょ? 確か、漁師さんとかじゃなかったっけ?」
「ふうん。じゃあ会社の名前ではないんだな」
「……アラタって興味がないことに対しては、全然考えたり知ろうとしたりしないわよねぇ」
確かに、そうかもしれない。
アラタは、唇の上に言葉を滑らせた。先日に自分の上から彼女を退かした直後から考えている事についても思い返しながら、カレンダーにプリントされた海の写真を見つめていると、ナナカが「それにしても」と言って首を傾げる。
「今日は、すっかり身支度も整っていて珍しいわね。どこかへ行くの?」
そう問われたアラタは、きょとんとしている彼女を見つめ返した。
落ち着いた眼差しを向けられたナナカが、ちょっと恥ずかしそうにして「何よ?」と強がりで言う。ようやく目が合って嬉しいのか、照れたのか、ベッドシーツをぎゅっと抱き締める。
「また『勝手に上がって来るな』とでも言いたいの? ここ数日は、いつもの夢でうなされなくなって早起きもしているみたいだしね」
後半は自棄になったみたいに、棘のある声で続ける。
「ふうん。じゃあ会社の名前ではないんだな」
「……アラタって興味がないことに対しては、全然考えたり知ろうとしたりしないわよねぇ」
確かに、そうかもしれない。
アラタは、唇の上に言葉を滑らせた。先日に自分の上から彼女を退かした直後から考えている事についても思い返しながら、カレンダーにプリントされた海の写真を見つめていると、ナナカが「それにしても」と言って首を傾げる。
「今日は、すっかり身支度も整っていて珍しいわね。どこかへ行くの?」
そう問われたアラタは、きょとんとしている彼女を見つめ返した。
落ち着いた眼差しを向けられたナナカが、ちょっと恥ずかしそうにして「何よ?」と強がりで言う。ようやく目が合って嬉しいのか、照れたのか、ベッドシーツをぎゅっと抱き締める。
「また『勝手に上がって来るな』とでも言いたいの? ここ数日は、いつもの夢でうなされなくなって早起きもしているみたいだしね」
後半は自棄になったみたいに、棘のある声で続ける。