やらなければならないことが待っている。八月のカレンダーを目に留めた時から、そんな予感を覚えていた。まるで以前から決められていた約束事であるかのように、何かに強く急き立てられるのを感じて、行動案を決めて準備に取り掛かった。

 数日前、勝手にちぎられたカレンダーは八月のものに変わった。それを目に留めながら、週末である本日も当然のようにやってきたナナカの動く音を聞きつつ尋ねた。

「――なぁ、ナナカ。一つ訊いてもいいか?」
「なあに?」

 窓を開け放ったナナカは、続いてベッドシーツを回収してから振り返る。またしても先に起床していたアラタが、先程からずっとカレンダーを見つめていて視線を返さない様子にチラと眉を寄せた。

「何よ、ずっとカレンダーばっかり見て」
「『ウミンチュ』ってなんだ?」
「なんか、アラタにしては珍しい質問……?」

 唐突にどうしたの、とナナカは両手でベッドシーツを抱えたまま、まだ目が合わない彼に少し唇を尖らせる。