時間の感覚すら分からなくなっていた。ナナカや男友達が、入れ替わり立ち替わり「大丈夫か」と心配そうに様子を見にやって来るようになっても、しばらくは自分から迎え入れる事も出来ず会話もあやしかった。
それが何日続いているのかも数えられていない。それでも彼らは、部屋の換気を行い埃がたまらないよう掃除をし、「これ食えそうか?」と食べ物を並べたり、親身になってアラタの身の周りの世話を焼いた。
「しばらくは出られそうにないって相談して、お前の授業後半に移動してもらったからな」
「なぁ、この布団ってどこに干せばいいんだっけ?」
「貸して。あたしがやるから」
「ほらアラタ、お前は今のうちに風呂に入って来い!」
そう言われて、熱々の湯が溜められている浴室に向かって背中を押された。世話好きな奴らだと、アラタは申し訳なさを覚えて考えたところで、ふと気付いた。
そういえば少し蒸し暑い気がする。久しぶりにカレンダーの方を見ると、まだ涼しいと豪語出来るような春の時期を過ぎてしまっていた。振り返ってみると、室内に漂う湿気ごと、陰鬱な空気を払うかのように動いてくれているナナカ達の姿が目に留まった。
それが何日続いているのかも数えられていない。それでも彼らは、部屋の換気を行い埃がたまらないよう掃除をし、「これ食えそうか?」と食べ物を並べたり、親身になってアラタの身の周りの世話を焼いた。
「しばらくは出られそうにないって相談して、お前の授業後半に移動してもらったからな」
「なぁ、この布団ってどこに干せばいいんだっけ?」
「貸して。あたしがやるから」
「ほらアラタ、お前は今のうちに風呂に入って来い!」
そう言われて、熱々の湯が溜められている浴室に向かって背中を押された。世話好きな奴らだと、アラタは申し訳なさを覚えて考えたところで、ふと気付いた。
そういえば少し蒸し暑い気がする。久しぶりにカレンダーの方を見ると、まだ涼しいと豪語出来るような春の時期を過ぎてしまっていた。振り返ってみると、室内に漂う湿気ごと、陰鬱な空気を払うかのように動いてくれているナナカ達の姿が目に留まった。