俺は無事に三年生になった。今年で二十一歳になる――あの時に伝えたかった言葉が、急速に喉にせり上がってきた。唇を噛みしめた直後、ボロボロと涙が溢れてこぼれ落ち始めた。

 俺は結局、最後までいい息子になれなかった。

 意地っ張りで、バカで、救いようのないくそガキだったんだ。

 悔しさで、涙が次から次へと溢れた。便箋をくしゃりと握りしめて、胸に押し当てて一人泣いた。

 無償に、父に会いたくてたまらなかった。

          ◆◆◆

 泣き疲れて眠ると、またしても小島と低い海と水牛の風景がある夢を見た。ゆらゆらとアラタを運んでいくその幻想は、ゆっくりと呑気な旅を続けているかのようだった。

 その夢から覚めた途端、強烈な後悔と罪悪感が戻ってきて、耐えきれない感情の乱れにぐっと吐瀉感が込み上げた。たまらず、洗面所で空っぽの胃を絞るように嘔吐した。

 それは、その日を境に毎度のように続いた。身体を動かす気力もなく、しかし疲労感に包まれたまま眠りに落ちると、目覚めと共に涙がこぼれてげぇげぇ吐いた。