「そもそもね、そういうのを女の子に言わせるのは良くな――」
「実は俺も、キスしたいなと思ってた」
へ、という彼女を引き寄せて、そのまま唇を重ねた。
暖房機の稼働音が鈍く響いている。仲直りのような心地良い空気が流れているのを感じて、アラタは身を委ねている彼女からそっと口を離した。近い距離で見つめ返すと、少し頬をそめているナナカがいて、ふっと笑ってこう続ける。
「ちょっと立ち寄るだけだって言ってたのに、ふわふわの服と短パンの組み合わせとか、俺好みの美味しそうなかっこうしてくるんだもんなぁ」
「べッ別にアラタを意識したわけじゃないし。私だって、この格好が好きなの」
ぴしゃっとした声を作って、そう言いながらナナカが素早く元の距離に戻って座り直す。
「…………でも、キスはありがとう」
「どういたしまして」
アラタもそう答えて、床に尻を戻した。初キスの記念日、だなんてカレンダーにもわざわざ書かれたのだ。無視してやるわけにもいかない。
「実は俺も、キスしたいなと思ってた」
へ、という彼女を引き寄せて、そのまま唇を重ねた。
暖房機の稼働音が鈍く響いている。仲直りのような心地良い空気が流れているのを感じて、アラタは身を委ねている彼女からそっと口を離した。近い距離で見つめ返すと、少し頬をそめているナナカがいて、ふっと笑ってこう続ける。
「ちょっと立ち寄るだけだって言ってたのに、ふわふわの服と短パンの組み合わせとか、俺好みの美味しそうなかっこうしてくるんだもんなぁ」
「べッ別にアラタを意識したわけじゃないし。私だって、この格好が好きなの」
ぴしゃっとした声を作って、そう言いながらナナカが素早く元の距離に戻って座り直す。
「…………でも、キスはありがとう」
「どういたしまして」
アラタもそう答えて、床に尻を戻した。初キスの記念日、だなんてカレンダーにもわざわざ書かれたのだ。無視してやるわけにもいかない。