好きだ、好きだと僕は泣いた

「…………もう、学校には来られないのですか」

 再発場所が難しく、今の状態で手術が成功するかどうかも分からない。先生達の説明をそう頭の中でまとめながら、ぽつりと静かな声色で尋ねた。

「――正直に言えば、それは僕ら教師にも分からない」

 秋山先生がそう言った。そこには、下手な嘘も誤魔化しもなかった。

 彼方は、胸の内側がひどく静まり返っているのを感じながら、窓ガラスを叩きつける雨を眺めていた。先程出ていった担任の小野との説明の際中、何度か「大丈夫だ」「きっと良くなる」という言葉を交えられていた。それを聞いて、恵が危険な状態である事を実感してしまってもいたから。

「もう、手術と治療は始まっているんですか」

 長い沈黙のあと、彼方は再び尋ねた。

 質問を投げかけられた秋山が、身をよじるようにしてその横顔を見やる。

「九月から手術の準備期間に入っている。経過の状態によっては、早ければ今月末にも手術が行われるそうだ。今は病室が移されて、先日から僕達も面会に行けない状況でね」
「つまり先生方は、皆知っていたんですね」