「彼方、大丈夫か?」
「いつもの中間テストだし、あんまり根を詰めるなよ」
「勉強を頑張り過ぎたりしてない? 平気?」
テスト最終日の前日、クラスメイトや科目担当教師にたびたび声を掛けられた。彼方はいつものように「別に」と返しただけだった。でも普段と違って、少し苦しそうな表情を浮かべて彼らを見つめていた。
きっと僕は、彼女と過ごした中で覚えた違和感の正体が、なんであるのか気付き始めている。
それでも捻くれ者の僕は、そうだと認めたくないのだろう。
彼方は、そんな事を思った。
◆◆◆
恵の『捻くれ者』という言葉すら懐かしく感じるようになった、テストの最終日。
全日程を終えた彼方は、使った鉛筆と消しゴムをそのままに、重々しい黒に染まった雨空を見やった。『捻くれ者』を認めた彼の目は、どこか惜しむように細められて、窓ガラスに映る教室内の風景とその向こうを見つめていた。
クラスメイト達が、ようやくテストが終わったと笑顔を浮かべて騒ぎ始める。外の激しい雨など全く感じさせない陽気な室内には、夏休み明け時と同じような活気さが戻っていた。
「いつもの中間テストだし、あんまり根を詰めるなよ」
「勉強を頑張り過ぎたりしてない? 平気?」
テスト最終日の前日、クラスメイトや科目担当教師にたびたび声を掛けられた。彼方はいつものように「別に」と返しただけだった。でも普段と違って、少し苦しそうな表情を浮かべて彼らを見つめていた。
きっと僕は、彼女と過ごした中で覚えた違和感の正体が、なんであるのか気付き始めている。
それでも捻くれ者の僕は、そうだと認めたくないのだろう。
彼方は、そんな事を思った。
◆◆◆
恵の『捻くれ者』という言葉すら懐かしく感じるようになった、テストの最終日。
全日程を終えた彼方は、使った鉛筆と消しゴムをそのままに、重々しい黒に染まった雨空を見やった。『捻くれ者』を認めた彼の目は、どこか惜しむように細められて、窓ガラスに映る教室内の風景とその向こうを見つめていた。
クラスメイト達が、ようやくテストが終わったと笑顔を浮かべて騒ぎ始める。外の激しい雨など全く感じさせない陽気な室内には、夏休み明け時と同じような活気さが戻っていた。


