「君と正反対で、内気そうな子だ」
「あなただって黙っていればそうじゃない」

 嫌味っぽく言ってやったら、しれっと返された。

「僕がいつ君と同枠になったと?」
「内気ではないのは確かね」

 眉根を寄せた彼方を気にも留めず、そう言った恵が次の写真を指した。そこには他の女子生徒よりも少し背の高い、ショートカットの頭にトレパン姿の女子生徒がいた。

 小麦色のはっきりとした肌に、しっかりとカメラを向く活気に満ちた黒い瞳。その両隣りには、同じように小麦色に焼けた、中心の彼女よりも背丈の低い女子生徒が三人写っていた。

「この背の高い子が、今のアユカちゃんなの」

 そう教えられた彼方は、特に驚きも見せず「へぇ」と相槌を打った。目鼻立ちには面影があり、人の表情に関しては誰よりも深く理解のある彼は、一目で同じ生徒だと分かった。

 すると恵が、的を外したような顔をして「驚くと思ったんだけどなぁ」と言った。彼は唇を尖らせた彼女を見やり、無表情のまま声を掛ける。