好きだ、好きだと僕は泣いた

 そして、とうとう写真のページは人物紹介一覧へと移った。

 そこには先生の秋山と小野、生徒の恵と彼方が一人ずつ写った四枚の写真が載せられていた。崩れた丸字で『写真部&美術部、仲良し!』とマジックで大きく書かれていて、すぐ下に『彼方君へ』と続いた言葉が、最後のページをめくるように促していた。

 これが、この本の最後のページになるのだろう。

 そう考えた途端、彼方はめくりかけた指先の動きを止めていた。名残惜しむようにページを戻り、再度見直した。けれど向き合わなければならないように、また元のページに戻ってしまっていた。

 視界が薄暗い。ふと、そう気付いて顔を上げた。

 直後、今まで聞こえて来ないでいた音が、一気に彼方の耳へ流れ込んできた。窓の外は、昨日と同じような豪雨の風景に塗り替わっていた。降り注ぐ雨は、一直線に落下して庭の緑や土を抉るように叩いている。

「…………ひどい雨だ」

 彼方は、そんな独り言を呟いた。昨日より少しだけ明るい印象のある灰色の雨空は、降り注ぐ雨で視界を遮るかのようにして、近くのプランターの花すらよく見えない大雨だ。