同じ丈に揃えられたスカートを揺らして橙色に染まった廊下を駆け抜けた。

チープな香水の匂いとプチプラの化粧品で彩られたあたしたちの顔までお揃い。

かしましい声が響いて耳に痛い。

だけどそんな現実に蓋をして美味しいマカロンは半分こして食べるのだ。

所謂、女子高生とかそういう生き物でしょ?

だから、あたしたちも有り触れた親友同士だった。親友であるあたしがあの子の死ぬその瞬間を見届けるまではね。

あたしは彼女が自殺した場面を見ていた。だから法に則って関係各所へと連絡をした。
それなのに周りのみんなは最初あたしの言うことをちっとも信じてくれなかった。

先生も苺のママも、クラスメイトたちもみんな同じ言葉を言うんだ。

「苺は自殺するような子じゃなかったよ」って。

それから次にあたしのことを変な目で見てくるんだ。
猜疑心に満ちた目だった。

理由は分かってる。

あたしは苺みたいないい子ちゃんではないし、あたしの両親は未だに街中で問題ばかり起こしているようなクズ人間だし。
苺に嫉妬するのはやめなよって散々言われてきた。

更にあたしは苺の死体の第一発見者だったから。
それってつまり火サスで言うところの容疑者候補であったということでしょ?

だから厳つい顔をした刑事さんたちもあたしを一番に尋問した。
事情聴取という名目ではあったけど。

古びたテーブルランプの電球を目の前に突きつけられることも無かったし、カツ丼も食べさせては貰えなかったけれど、あたしはあの日見た全てのことにきちんと答えた。

確かにあたしは優等生ではないけれど、かと言って問題児になれるほどの度胸もないのだ。