「今、社長はとてもお忙しく、徹夜状態でお仕事をされています、食事もカップ麺ばかりお召し上がりになっています、退院したばかりで、奥様も大変だろうと思いますが、少しはお食事を作って差し入れるお気持ちはないのでしょうか」

静香は考えていた。

「それになぜ、おうちにお帰りにならないのか、失礼ですがご夫婦仲に問題でもおありなのでしょうか」

静香はなんて答えればいいか分からなかった。

「失礼なことばかり申し上げて失礼致しました」

「あっ、いいえ」

「では別室をご用意致しますのでこちらでお待ちください」

「はい」

金山はエレベーターで上の階に登った。

静香は自分が俺の妻だと言う事に責任感を感じ始めていた。

「私は真壁さんに迷惑ばかりかけている」

私はふらっと会社を出て、歩きはじめた。

なんか頭の中がごっちゃになって、その場にしゃがみ込んでしまった。

涙が出て来てどうしていいか分からなくなった。

その時、真壁さんに言われた事を思い出した。