「だって、真壁さんが私の病室に毎日お見舞いに来てくださって、
もし、奥様が生きているのであれば、ヤキモチ妬いちゃいますよね、
私なら、どう言う関係なの?って詰め寄っちゃいます」

静香はニッコリ微笑み続けた。

「それに翔太くんがママ、ママって抱きついて来た時から、
そうかなって感じてました」

「それに、真壁さんも……私は奥様と似ているのかしら」

俺はどう答えればいいか迷っていた。

つかず離れずの関係を保ち、その中で思い出していくのが
理想の関係だと。

いきなり夫婦関係を告げると、混乱して拒絶してしまう人も
いるとの事だった。

しかし、嘘は駄目だろうと思い、真実をつげる決意をした。

「落ち着いて聞いて欲しいんだけど、実は俺の妻はお前なんだ」

「私ですか」

「同性同名ではなくて、同一人物、翔太の母親はお前なんだよ」

やはり静香は混乱している様子だった。

「はじめて出会ったのは俺が二十四の時、静香は三十九で会社の先輩だった、