ベッドに横になって眠っている静香の寝顔を見て、この五年間の自分の行動を、

悔やんだ。

そこへ翔太が幼稚園から帰って来た。

有難い事に病院は幼稚園のすぐ目の前で、翔太は一人で幼稚園から病院まで帰って来れる距離だった。

「パパ、ただいま、ママは大丈夫?」

「ああ、ママはパパがアメリカで仕事していた五年間、一人で翔太を育てて来たから、

少し疲れたんだな」

「パパ、ママね、時々泣いてたんだよ、パパが帰って来なくて、もしかして翔太はママと二人で生きて行かなくちゃいけないかもしれないって言ってた、だから僕、ママを守ってあげるねって言ってたんだ」

「そうだったのか、この状態でアメリカに連れて行くのは無理があるな、でも、また日本に置いて行く事は出来ない、どうしたらいいんだ」

俺は途方に暮れた。

俺は翔太を寝かしつけて静香のベッドの側で、静香の手を握っていた。

俺がうとうととしていると、静香が目を覚まして、俺の名前を呼んだ。

「翔、翔」

「静香、大丈夫か」